1月13日「耐えて克つ」(中巻)ー輝く明日に向かってー「まえがき」(案)です

まえがき

 この度、2021年4月1日から8月31日まで5か月間の「理事長からのメッセージ」を纏めました。題して「このコロナ禍の1年(中巻)『耐えて克つ』」副題は「―輝く明日に向かって―」にしました。この5ヵ月間は、暗いこと、辛いこと、ストレスがたまること、様々ありました。我々には「忍耐力」があります。「希望」を常に持っています。もうすぐ明かりが見えてきます。間違いありません。その日が来るのが今から楽しみです。

 この(中巻)では、緊急事態発出中であっても、楽しいことが沢山ありました。出来るだけその明るい話題を、皆さんに提案・提供してきたつもりですが、如何だったでしょうか。少しこの5ヵ月を振り返ってみましょう。

 先ずは4月。これは、何といっても3人のアスリートの活躍です。一人目は池江選手の奇跡のカムバック、二人目はメジャーリーガー大谷選手のベーブルース以来投打の大活躍、三人目は、松山選手のマスターズ優勝。ニューヨークポストは、「彼は、ゴルフより野球や相撲が人気の国で、最も尊敬されるアスリートの一人」と紹介されたのでした。

 一方、緊急事態宣言中、お父さんやお母さんの自宅でのテレワークが社会問題となりました。そのお父さんやお母さんが家庭で活躍する場をと考え「親子でボールゲームあそび」「友達とボールで楽しく遊ぶ」「親子で『柔らかいボール』を使用して『スロー・ラン・ピックアップ』」「親子遊びを『創造・クリエーション』しましょう!」等を紹介・提案しました。参考になったでしょうか。親子の関係は、これらの遊びでより深まりましたか?

 5月に入ると、3日は憲法記念日、そこでは「日本ティーボール協会の『定款』を読み直す」勉強を、皆さんと行いました。全てを書き写す作業から。そうしたところ2か所で「誤字」を発見。6月に開催した「総会」で訂正しました。定款を読み直すほど「理事長の責任の重さ」を痛感した次第です。これからも頑張ります!

 一方、アスリートでは、あの大谷さんがアメリカだけでなく、世界中で認められ始めました。そのためか、漢字を使用する国の「大谷さん」だけでなく、世界の「オオタニさん」に変えました。物凄い結果を出すものですから、本当に驚きの連続でした。50年前、アメリカで「ベースボール」をプレーした者にとっては、信じられないことばかりで、凄過ぎます。

 6月に入ると、この(上巻)の1月24日から2月9日までに書いた「ルールや用具を如何にして創造したか」について纏めた「ルール解説指導教本」を刊行しました。それなりにインパクトの大きいものでした。各都道府県から「講習会にとても役に立ちます。ありがたいです」というメッセージを多き頂きました。

 この頃、7月23日から始まる東京オリンピックを開催するか、中止にするか世論は二つに分かれていました。そこで、我々は、東京オリンピックが開催されれば当然野球やソフトボールは応援しますが、その後、パリ、ロスアンゼルスのオリンピックではどうなるの?これらが復活できるの?このテーマで様々考え、行動を起こす事にしました。そんな時、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)では「ベースボール5」を提案。この「ハンドベースボール」がオリンピックに?これが本当に普及するの?これが「ベースボール型球技」といえるの?先ずはそれらの疑問から研究と実践がスタートしたのでした。

 そこで、私は「一球野球・一球ソフトボール」をこのタイミングで提案するしかないと考えました。それ以外では「投手は攻撃側から出す」「ミニソフトボール」「大学スローピッチソフトボール研究会の存在」「スペードアップ・ベースボール」「オリンピック・ベースボール」「ローテーション・ソフトボール(野球)」等について紹介しました。この意図は、「ベースボール型球技を創造する」ことの大切さ。どのようにルールや用具を改良すれば「オリンピックに相応しいベースボール型球技」になるのか?反対に「子ども達にとって楽しいベースボール型球技」になるのか、学生諸君と一緒になって考えることにしました。また、実際に学生にモデルになってもらい、ゲームを数回実験的に行いました。成果は上々です。学生の感想文は日本ティーボール協会ホームページに掲載しています。是非ご覧ください。

 6・7月は、高齢者のワクチン接種が進みました。日本人の多くの方のご努力で1ヵ月100万人接種という政府の高い目標を軽く突破、この時ほど「日本人は、やる時はやるね!」と我々は、我々が日本人であることを、誇りに思ったことはありませんでした。

 そして、いよいよ東京オリンピックが23日開幕。その前日は、福島あずま球場で日本とオーストラリアのソフトボールの試合がプレーボール。私もこのオリンピックの間はほぼ毎日、日本選手の活躍を、私の視点で書かせて頂きました。8月8日の閉会式までです。この間、2日だけがお休みでしたが、とても楽しい執筆生活でした。この楽しさは、全てに、日本選手の活躍によるものでした。メダルを獲得した選手が揃って言う言葉がありました。それは「オリンピックを開催して頂き感謝しています」との言葉です。とても印象に残りました。

 そして、8月24日には、東京パラリンピックが開幕。多くを考えさせられました。これらの話題に関しては(下巻)で述べています。この東京オリンピックとパラリンピックは、人と人との戦い、更に、記録との戦いのみならず、コロナとの戦いでもあったような気がします。

 この間、メジャーリーガー「オオタニさん」の活躍は止まりません。毎日明るい話題を日本に提供してくれます。テレビのアナウンサーもオオタニさんのスポーツコーナーになると自然と「笑顔」になっていました。その「笑顔」を見て、こちらもニッコリ。

 こんな感じの5ヵ月間。まだまだコロナ禍という暗いトンネルを抜け出すことはできません。しかし、この5ヵ月間にオリンピックのメダリストを初め、池江選手、松山選手、オオタニさん、多くの日本人アスリートが見せた満面の笑みは、最高でした。

 一方、全力で戦って敗れた選手たちの後ろ姿も印象的で、多くを考えさせられました。彼ら彼女らには、この言葉を!「ネクストタイム」次回こそは「良い結果」を!

 この(中巻)のタイトルと副題は、やはり「耐えて克つ」 ―輝く明日に向かって― ですね! (下巻)に続きます。

NPO法人 日本ティーボール協会理事長 吉村正
(早稲田大学名誉教授・中国煙台大学客員教授)