11月14日 昨日は55年目を迎えた、日本一伝統ある「早学定期戦」。思いでを語る斉藤先生と私。学生の成長!

 昨日13日(日)は、学習院大学対早稲田大学のソフトボール男女定期戦でした。いわゆる「早学定期戦」です。この定期戦は、今年で55年目。日本で最も古くから行われているものです。この定期戦のスタートは、1967年(昭和42年)の春からでした。15年ほど前までは、年2回、春は5月3日、秋は11月3日の祭日に開催。ところが、この定期戦開催の中心人物だった学習院の斉藤滋雄先生が17年前、70歳の定年で、退職されてからは、春・秋の祭日に一日中目白の学習院グラウンドを借り切るのは、他の運動部、即ちサッカー部、ラグビー部等が許してくれません。年2回の定期戦が、秋のみとなり、その後、その秋だけでも目白のグラウンドを使用するのが難しくなりました。

 そこで、15年ほど前から、学習院の選手の皆さんには、所沢のグラウンドに来て頂いています。昨日は、秋晴れの下、男女とも早稲田の勝利でした。

 定期戦に先立ち午前10時から開会式。学習院大学名誉教授の斉藤滋雄先生は、御年87歳、千葉県習志野のご自宅からお一人でお見えです。公共交通機関を使用しての来校です。超お元気です。嬉しいです。

 開会式が始まりました。最初の挨拶は、当然斉藤滋雄先生。「皆さん!おはようございます。 脱帽! 姿勢を正して! 礼!」から話が始まります。昨日の話は「この早学定期戦は昭和42年、当時の早稲田大学の吉村正主将と話し合い、この定期戦をスタートした」と。私は、ニコニコしながら、55年前を思い出し、楽しく話を聞いていました。 

 斉藤先生! 若い! 記憶力抜群! 凄い! これが私の感想でした。

 次に、私の挨拶です。斉藤先生の続きを話しました。「皆さん! 斎藤先生と私の最初の出会いは、その定期戦を開始する2年前です。即ち、1965年(昭和40年)6月6日。それは私が早稲田大学に入学した4月に「ソフトボール同好会」を創設、その2か月後の全日本一般男子東京予選に出場、学習院と最初に試合を行ったのです。そこで斉藤先生に初めてお会いしました。試合結果は3-0で学習院の勝利、当時の学習院は、その2年後全国制覇をするほど強かったのです」と。

 「当時の学習院の先発選手は、1番サード秋川さん、2番ショート栗原さん、3番レフト篠田さん、4番アメリカ帰りのファースト内田さん、5番ピッチャー鈴木さん、6番ライト阿久根さん、7番キャッチャー鈴木さん、8番は、ピッチャー鈴木さんのお兄さんだったかなー」と。斉藤先生はびっくりしたような顔で私を見つめておられます。学習院の先輩たちの名前を覚えていて良かった、と私の心の声。それほど学習院の選手の皆さんとは親しくしていたのです。

 昭和40年当時、まだ東京に大学連盟もありません。勿論全日本大学連盟も存在しない時でした。

 私の話は続きます。「その試合で私は、ピカピカの1年生、副主将で投手で5番、強豪学習院相手に3点に抑えました。その次の年の11月には、主将として駒沢軟式野球場にて『第1回大学ソフトボール選手権大会』を、日体大、学習院、国士舘、早稲田が中心となってスタートさせました。そして翌月の12月それら4チームを『早稲田の安部球場(現在の国際会議場)』に招待し、『第1回東京都大学リーグ戦』を開始したのです。学習院大学と早稲田大学はいつもその中心にいたのです」と。

 二つの連盟と大会をスタートさせたその5か月後に、この「早学定期戦」を斉藤先生と主将でエースの鈴木さんと私が話し合ってスタートさせたのでした(鈴木さんは一時期日本ティーボール協会の参与をお引き受け頂きました・現在は学習院大学ソフトボール部OB・OG会会長)。私と同い年。

 開会式が終わると、高杉監督(日本協会理事)が「先生!久しぶりで素晴らしい思い出に残る開会式でした。この55年間に亘る定期戦の歴史の一部を知ることは非常に大切ですね」とお褒めの言葉。私は、ちょっとしゃべり過ぎかなと思っていた時にこの言葉かけ、嬉しくなりました。

 男女の試合が終わって、閉会式では、両チームの男女の監督さんが一言ずつ挨拶兼講評。そこで、高杉男子部監督は、開会式に私に声をかけてくれた言葉と同様の内容を、そのまま選手に伝えました。「君たちは、この57年間の歴史を考えて、この早学定期戦の重みを理解してほしい」と。

 そして、閉会式での最後の言葉は、やはり斉藤先生。「学習院の選手達! もっと頑張れ! 早稲田に負けるな!」です。 この負けず嫌い、良いですね。大好きです。

 先週は早慶戦でした。早稲田は、慶応、学習院といったライバルがいてくれて初めて、成長できます。この二つの定期戦を終え、今とても満足しています。

 さて、この早稲田の選手は、今週末「幼児&小学1・2年生どか点ティーボール大会」で、ボランティア活動をします。またきっと選手たちはこの定期戦と違った側面を見せてくれるでしょう。幼児や小学生と接する時の選手達(TTA公認指導者資格取得者)の爽やかな笑顔を見るのが今から楽しみです。