6月18日「日本式ティーボール」から「ミニソフトボール」へ、日本ソフトボール協会の試み

 今日は、「公認ティーボール規則&日本式ティーボール解説指導教本」の〔まえがき〕1ページに書いた「セット・トス・ミニピッチ・ソフトボール」について少し説明します。

 セット・ソフトボールとは、今の日本式ティーボールとキックベースボールのことです。このキックベースボールは、投手がボールを投げてそれをキッカーが足で蹴るというものではありません。ホームプレートの上にボールを置いて(セットして)蹴るというものです。前者は誰でも打てる、後者は誰でも蹴れるという球技です。これは以前説明しました。キックベースボールは14インチの中空ゴムを使用します。

 次に、トス・ソフトボールとは、ハンドベースボールやラケット・ソフトボールのことです。ハンドベースボールは、約20年前の小学校体育の副教材では、投手が捕手に向かってボールを投げ、それを打者が、手で打つという球技でした。小学生の投手はストライクをなかなか投げられないということを、私が教科書の出版社に説明した結果、打者が自分でボールを投げ上げ(トスして)、それを、反対の手で打つゲームになりました。ラケット・ソフトボールは、自分でトスしたボールを反対の手で保持しているラケットで打つという球技です。これらも以前少し紹介しました。

 さて、今日は、ミニピッチ・ソフトボールです。これは短い(ミニ)距離から投手がゆっくりとボールを投げるソフトボールです。ですから、あのスローピッチ・ソフトボールの小型版をイメージしています。1992年ベースボールマガジン社発行の「ソフトボールマガジン」で「小学生に(ソフトボールを)どう教えるか!セット・トス・ミニピッチ・ソフトボール」を発表しました。そうしたらところ、日本ソフトボール協会の担当者がすぐに相談に来られたのです。それは、「ミニピッチ・ソフトボール」に興味があるとのことでした。この年から1・2年後に「ミニソフトボール」が、日本ソフトボール協会から世に出ました。

 現在も、公益財団法人日本ソフトボール協会のオフィシャルソフトボールルールには、その基本ルールが、137ページから143ページまで、絵解説として掲載されています。その冒頭には、はじめに、(1)このルールは、主に小学校低・中学年を対象に考案したルールで、狭い競技場や室内、柔らかい素材の用具を使用して安全に楽しくソフトボールを行うためのものである。(2)このルールは、「ソフトボール競技」への発展を意図して作成したものである。(
3)ルールの適用にあたっては、競技場、用具、人数などの状況によって変えていってよいものとする。(4)このルールは、平成6年(1994年)1月20日発行の「グリーンソフトボール・ルール」を基にして新たに作成したものである。と書かれています。

 もうお分かりでしょう。このグリーンソフトボールは上記「セット・トス・ミニピッチ・ソフトボール」を考案、そして競技の仕方を提案するときに、私がナガセケンコーの担当者と一緒になって作り上げたものです。1993年11月4日、海部俊樹事務所に当時の早稲田大学総長小山宙丸先生と一緒に会長就任に交渉に行ったときに、海部先生に見せたボール(「公認ティーボール規則&日本式ティーボール解説指導教本」の表3の写真をご覧ください。その中央にあるボール)、それがグリーソフトボールです。また、昨日、「投手は攻撃側から出す」で、早稲田大学の体育祭で使用しているボール、それもこのグリーンソフトボールです。

 今尚、ソフトボール協会の関係者・指導者の皆さんのご理解で、ソフトボールの底辺拡大のために「ミニソフトボール」は必要とされています。考案者としては、とても光栄に思っています。多くの方々がプレーされ、「日本式ティーボール」から「ミニソフトボール」、そして「ソフトボール」あるいは「野球」へとスムーズに移行できるようになれば、とても素晴らしいことだと思います。

 この「ミニソフトボール」がどんどん普及することを心から祈念します。