9月2日「パラリンピック車椅子利用者の選手が活躍中です 日本式ティーボール以外に、車いすベースボール型球技はないのですか」

 東京パラリンピック第9日、ボッチャ個人の杉村英孝選手「金メダル」獲得。先天性の脳性まひで、19歳から競技を始められ、そしてこの度の快挙、誠におめでとうございます。「勤務先30人歓喜」と報道されています。30人だけではありません。日本国中皆喜んでいます。車椅子に乗って4分間に6球を投じる競技ですが、第1エンドから第4エンド迄、全てに勝利。相手は前回リオ大会の金メダリスト。車いすに乗り金メダルを獲得して嬉し泣きの杉村選手、とても印象に残りました。重ねておめでとうございます。

 さて車椅子というと、昨日は車いすバスケットボール、車いすテニス、アーチェリー女子個人車いすの部、車いすフェンシングそれぞれの競技で熱戦が続いています。車いすバスケットボールでは、33歳の香西宏昭選手の3点シュート、また、37歳の藤本怜央選手のシュートも印象に残りました。車いすテニスでは、日本選手団主将の国枝慎吾選手4強入り、上地結衣選手と大谷桃子選手のダブルスはオランダに惜しくも敗戦、この後は、3位決定戦で銅メダルに挑戦します。アーチェリー車いすの部の岡崎愛子選手は、4強を逃しました。実は私、彼女の挑戦を静かに見守ってきた彼女の応援団の一人です。それは、彼女が2005年4月京都・JR福知山線脱線事故で頚髄損傷、その事故の時、同志社大学の2年生、通学途中で脱線事故に巻き込まれ約1年間入院。その後車椅子生活になられたのでした。京都・福知山・同志社ということで注目していました。今後も応援して行きたいと思っています。

 私は「車椅子を使用しての野球やソフトボール関係のスポーツはありませんか?」という質問をよくされます。

 もう6・7年前になりますか、事務所が高田馬場にあった時「日本車椅子ソフトボール協会」という名刺をもって、お二人が私を訪ねて来られました。その時は協会の中心となってご活躍されている北海道の方と車椅子の製造をしている会社の方でした。会社の方は千葉県から来たとおっしゃっていました。その時頂いた普及用パンフレットには「『車椅子に乗りながら軟式野球使用球やソフトボールを用いて行う新しい野球』がコンセプトの車椅子競技スポーツです。健常者スポーツにおいて圧倒的な競技人口を持つ野球/ソフトボールを、障がいを持つ方がプレーできる形にすることで、障がい者スポーツの裾野を広げるとともに、障がい者と健常者、男性、女性、年齢において分け隔てなく誰もが一緒に同じフィールドで楽しむことができるスポーツです。(原文のまま)」とあります。

 加えて、そのパンフレットには、3つの見出しがあります。1つは、「誰もが一緒になってフィールドで楽しめるスポーツです。」2つは、「『パラリンピック正式種目へ』それが私たちの目標。」3つは、「持ち点制度によるクラス分け。」とあります。「日本車椅子ソフトボール協会」は「パラリンピックの正式種目」になることを目指しておられます。

 この時私は、わざわざお一人が北海道からということもあり、様々アドバイスをさせて頂きました。私は、「皆様方の試みはとても素晴らしい。我々と一緒にやりませんか。投げられたボールを打つ車いす野球や車いすソフトボールが難しく感じる方々にとっては、この止まっているボールを打つ日本式ティーボールは最適ですよ」と熱っぽく話したことを記憶しています。今、この「日本車椅子ソフトボール協会」の会長は高山樹里さん。彼女は私が日本体育大学で10年間教えに行っていた時の最初の頃の学生。というよりも2000年シドニー五輪の銀メダリスト。エースで5勝を挙げた有名なソフトボールの投手です。

 今後どのような戦略で、この車椅子野球・車椅子ソフトボールを普及させていこうと思っておられるのか、お会いして聞いてみたいですね。この東京パラリンピックの盛り上がりで、野球やソフトボール型の車椅子競技が注目されるといいですね。

 私は、車いすを使用してのベースボール型スポーツは、何が何でも「日本式ティーボール」。これが一番だと思っています。それは用具にしても、ルールにおいてもずば抜けて素晴らしいからです。したがって、ベースボール型スポーツがパラリンピックに入るとするならば、これは「競技としての日本式ティーボール」でしょう。皆さんはどのように思われますか?