9月27日「池永正明さん天国へ。下関商業高校センバツ優勝、稲尾二世、衣笠さん、稲尾さん、様々思い出されます」

 池永正明さんが9月26日天国へ行かれました。今朝の新聞で確認しました。池永さんと私は面識はありません。しかし、私の記憶の中には、下関商業高校の池永さんと言えば、高校時代から大投手・大スターでした。私が平安高校の2年生から3年生に上がろうとしている春のセンバツで、優勝した1学年下の投手です。その夏も確か準優勝投手になられたはずです。

 池永さんと同学年の平安高校野球部員は、国民栄誉賞を受賞された衣笠祥捕手(広島※高校時代は捕手)。植木投手(阪神)、梅村捕手(南海)がいました。3人もプロに行く時代でしたから、当時の平安高校は本当に強かったです。ただ私は、池永さんが3年生で活躍する姿はほとんど知りません。当時私は、近畿予備校の生徒で、毎日勉強をしていたためです。でも、その時、四国の土佐高校が強かったのを記憶しています。それは、私が中学3年生の時、この高校に進学したいなと思った時があったからです。あの「全力疾走」に憧れたのです。それを指導されていたのが、早稲田大学の先輩籠尾先生。その時の4番打者の0君とは、早稲田で同級生になりました。

 池永さんは、高校卒業後、九州の西鉄ライオンズに入団されました。高卒でいきなり20勝を挙げ、新人王に輝き、その後も、15勝、23勝、18勝と桁外れの成績を挙げられました。守備もバッティングも超一流でした。今でいうと、大谷さんを少し小柄にしたような選手。また、一世代後だと、PL学園で投手、そして打者としても活躍した桑田さんのような選手だと説明すると分かり易いです。

 池永さんは、1970年「黒い霧」事件で、永久失格処分を受けました。本人は一貫してこの事実を否定。1990年代の後半から、支援団体や稲尾和久氏や西鉄OBらが復帰の嘆願書を提出し、2005年当時の根来コミッショナーが、野球規約が改正されたことを受けて、処分を解消したのでした。このことは、プロ野球界ではあまりにも有名な話です。私も永久失格処分が出たときは、本当に驚いたものでした。 

 さて、ここで上記に名前を出した方々の多くは、この日本ティーボール協会と大なり小なり関係を持って頂いていました。紹介します。先ず同学年の衣笠祥雄さん。名球会のハワイでの会合の後、ワイキキで会ったり、アジアティーボール連盟を創設する時に、東京Pホテルで顧問就任のお願いをしたり、関東平安同窓会で会うと、彼の同学年の池永さんの話もよくしました。凄い投手で一致でした。 

 次に、神様・仏様・稲尾様の稲尾さん。この協会を創設した1993年から副会長としてご貢献を頂きました。創設期には、東京ドームやロッテマリン球場等で開会の挨拶等を頂いていました。私とは、2004年8月に「勝つための野球戦術 生まれ変わるピッチング」(新生出版社)を共著で出版したこともありました。その折、時が時だけに池永さんの話が多かったです。稲尾さん曰く、池永は「稲尾二世」と言われたが、僕を超える可能性がある逸材だった、と。

 稲尾さんと同じ年に野球の殿堂に入ったのが、阪神の村山実さん。その秘書が、衣笠さんとバッテリーを組んでいた阪神退団後の植木さん。この協会を創設する時に、「マンション村山」で、村山さんにこの日本式ティーボールの普及の協力をお願いしました。その時横にいたのが植木さん。村山さんには快く承諾していただき、殿堂入りのパーティーでは、私まで招待して下さり感激したものでした。村山さんも認める大投手候補は、やはり池永さんでした。

 1993年に日本ティーボール協会を創設してから、全国組織を創るということで、私は全ての県の野球あるいはソフトボール関係の実力者に、お願いに行きました。高知県では勿論、籠尾先生。東京からアポを取り、南国土佐に入りました。私が中学時代、先生の「全力疾走」に憧れたことを話をすると、嬉しそうにされて、この日本式ティーボールの魅力・必要性についての話も聞いてくださいました。高知県連盟の組織作りまでは至りませんでしたが、素晴らしい日本式ティーボールの理解者を得たのでした。

 その教え子が、早稲田大学で同級生となった0君。卒業後は社会人チームの東芝でも活躍。その関係で、私が「健康福祉ティーボール大会」を、久保田先生たちと一緒になって最初に行った会場が、東芝府中のグラウンドでした。これは、久保田先生の当時の勤務先が府中朝日養護学校に近いということで、0君にその球場の借用をお願いしたら、快く貸してくれたのです。その時の大会の様子は、当時のNHKでお昼と夕方のニュースで放映されました。この映像のコピーは、今でも協会の事務局で保管しています。

 池永さんのご逝去の報道で、過去のティーボールの普及活動、また、1学年下の後輩等、様々なことを思い出しました。改めて、ご冥福をお祈りいたします。