9月9日 昨日の朝日新聞の「声」は「どう思いますか 大リーガー大谷」です。 今日は僭越ですが私からオオタニさんへ「アドバイス」(エール)

 昨日の朝日新聞10面のオピニオン&フォーラム 声 の欄の見出しは「どう思いますか 大リーガー大谷」でした。そこには5人の方からの投稿が記載されていました。小見出しを拾ってみましょう。1,「野球大好きのオーラ 本場も魅了」2,「既成概念打ち破る生き方に感銘」3,「体の負担が心配 一方に専念せよ」4,「熱狂の『陰』にも思いを致して」5,「親子の会話も弾んだ大谷効果」5,「ゴミ拾いで運 見習って日課に」以上です。投稿者は、宮崎県、千葉県、奈良県、オランダ、岡山県、神奈川県の方々です。

 私は、この方々の投稿皆とても良いと思います。小見出しを観ただけで、それぞれの方のその主張は手に取るように分かります。さてここで、私も上記の投稿者の方々と同様にオオタニさんに声(エール)を送ります。

 先ずは、オオタニさんの二刀流本当に凄いです。感動の日々です。これがサイヤング賞を取りに行くために投手だけに専念されると、中4日か5日では、オオタニさんが登板したときのみの喜びです。それが、二刀流であるがためにほぼ毎日、オオタニさんの活躍を顔をくしゃくしゃにして、楽しめるのです。私はここでオオタニさんに技術的な事、精神的な事、身体的な事について語る気は一切ありません。恐れ多いです。ただただオオタニさんの活躍は、尊敬するだけ、感心するだけです。

 オオタニさんには誠に僭越ですが、アメリカで生活した人間、また古くにアメリカで野球とソフトボールをプレーしてきた者として「アドバイス」をさせて頂きます。

 先ず今まで何回もしている自己紹介ですが、私はアメリカでソフトボールと野球をプレーしていた1970年、時のハワイ州副知事候補、後の知事になったジョージ・アリヨシ氏から野球とソフトボールをプレーしている姿勢を評価して下さり「誠実賞」を頂きました。これを大変な誇りとしてきました。また選手を終え指導者(監督)となって、2005年にはソフトボールのワールドシリーズで日本代表で且つハワイ州代表として早稲田大学ソフトボールチームは出場し、そこで初優勝を遂げました。その時私は「最優秀監督賞」を授与。その折、このチームは「世界一」になって、加えて「スポーツマンシップ賞」も頂きました。この経験からアドバイスします。

 この「誠実賞」と「スポーツマンシップ賞」を頂いたことに関して共通するのは、試合中、誠実にプレーすること、アメリカの選手であれば当然態度に表して怒るだろうなと思うプレーでも、私はあるいは、我々は「黙々とプレーする、させて頂く」。決して怒ったり、バットを投げたり、ベンチを蹴ったり、審判員に文句を言ったりしない。もし判定に疑問を抱いたときは、監督のみが審判員に「質問」する。当該者が審判員に文句を言うようなことはしない。アメリカという野球・ソフトボールの本場でプレーをさせていただいているという感謝と誇り、これを忘れない。これらのことを自分に言い聞かせ、学生に諭してきたから評価され、受賞したのだったと思います。

 さて、オオタニさんは、「審判員に帽子のひさしに手をやり軽く会釈して、打席に入る」この仕草、とても審判員に好感を覚えてもらえます。「グラウンドでゴミを拾って自分のお尻のポケットにしまい込む」これも素晴らしいです。好感度はますますアップします。「打者ではホームランを打つ」強い選手はアメリカでは尊敬されます。興味を示していただけます。「投手では160キロを超えるムービング・ファーストボール」を投げる。「スプリットフィンガーボール」「カーブ」「フォーク」「スライダー」等を見事に投げ分ける。これ観客席にいる人たちだけでなく、多くの審判員の方々にも注目されます。オオタニさんが投げるとき「審判」を行いたいと思う審判員は多いでしょう。容易に推察できます。

 ここで、ようやく私からオオタニさんへのアドバイス。オオタニさんがストライクゾーンの中にしっかり入っていると思って投げたボールを、審判員は「ボール」。オオタニさんは、そこで少し悔しい表情、これはOKです。ここでもしオーバーアクションで両手の平を上空に向けたり顔を上に向けたりすると、審判員は、自分を批判したと思います。アメリカ人は多くの人が自分の仕事に物凄いプライドを持っています。審判員を敵に回すことになります。これ要注意です。打者の時も同様です。審判員にストライクと言われれば、これはもうストライクなのです。私の長年からの経験から学んだことです。

 私が参加したアメリカ本土での6回のソフトボールのワールドシリーズの審判員は全員白人でした。彼らは本当に誇り高いです。抗議は先ずできません。私はワールドシリーズでハワイ州からの選出のドイツ系アメリカ人の審判員に、「ウィリー(私のアメリカの名前)、審判員の人には抗議(プロテスト)はいけません。問う(アスク)にしなさい」と。これアメリカでプレーするとき物凄く参考になりました。「メイ・アイ・アスク」から始めるのです。

 ちなみに、この考え方は、日本ティーボール協会の「公認ティーボール規則」ルール10 アスク 10-1 アスクとは、審判員の判定に対して尋ねることをいう。10-2 a.次の場合、アスクできる。①審判員にルール上の解釈の間違いがあったとき。 ②審判員にルールの適用上の間違いがあったとき。このルールに反映させています。以前はアスクではなく、アメリカのルールブックを参考にしてプロテスト(抗議)でしたが数年前改正しました。

 オオタニさん、今までの素晴らしい成績、誠実なプレー、感動することばかりですが、それに加え、アメリカの審判員とも、今以上に仲良しになってください。そうすればきっとより快適な、思い出の多いシーズンになるのではないでしょうか。

 今日は、朝日新聞の声、プラス理事長からのオオタニサンをちょっとだけ心配する「声」でした。