第3回 日本ティーボールセミナー

1996年2月3日(土)開催

◆ 学校におけるティーボール指導を考える
◆ 地方組織づくりの現状と課題


開催要項

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海部会長 挨拶

 みなさん、こんにちわ。不思議なご縁が世の中にはあるものでして、私がはからずもティーボール協会の会長に、2年前でしたか、頼まれたときに、吉村さんの名前は吉村正というんですか。私が早稲田大学の学生のときに一番怖かった教授が吉村正というんです。これは政経学部のわれわれと同年の人に聞いてもらったらわかると思うのですけれども。それから、たしか総長は前の小山さんのときだったと思いますが、小山総長からも連絡が入って、「ティーボール協会で、あなたひとつ先頭に立って」と。「やったこともないのにいいですか」と言ったら、「そういう人が実技をやって、できるスポーツが、国民スポーツとして大切なんだ」と。来ていただいていろいろなお話をうかがいました。
 私が早稲田大学の学生で早慶戦などを見に行っても、皆さんもきっとそうだと思いますが、打撃戦でバンバン球が飛ぶ試合というのはみんなワーッとなるけれども、差し障りがあったらごめんなさい、投手戦になってピッチャーが打線をみんな押さえてしまうような、ゼロがずっと続いていくような試合というのは、見ていてあまり興奮もわいてこない、というような思いを、私は持っておりました。そしてまた、私の早稲田大学の雄弁会のころの1年先輩がリトルリーグの日本の会長をやっているんですけれども、アジアの大会などに呼ばれて行って参加しても、どうも、本当のベースボール、野球をみんながやる前には、もう1つ下のすそ野のところで球を打ったり拾ったり駆けたりする基礎基本をみんなが動作で覚えることが大切で、そういった要素がみんな入っているのがこのティーボールだと言われました。私も微力ですけれども、大いに普及するように、頑張っていきましょう。
 知育体育徳育というけれども、やはり皆が参加できるティーボールというものが、ますます盛んになっていくことを、そして青空のもとで、皆が汗を流して、皆が参加をして、応援団もただじっと見ているだけでなくて皆がそれぞれ体ごと動くことのできるティーボールがますます普及していくことを、私は心から期待をしているのです。
 私はこれでも毎週2回、ヘルスクラブに行って30分、ストレッチをした上で走って、それからプールへ飛び込んで、健康管理に汗を流して、努力をいたしております。そういったことをやることが、人生を永遠なものにするためには大事だといって、皆が褒めてくれました。きょう、入ってきたらちょうどこれ(ティーボールセット)が置いてあって、吉村先生が意地悪に、会長いっぺん打ってみろと言われた。自信はなかったですし、また一度も教わったことがなかったけれども、打ってみたら当たって少し飛んだんですよ。いつか、もし機会があったら、皆さんのなかのチームと私たちも、シニアチームでもつくって、楽しく試合ができるようになったら、こんな楽しいこともないと思います。同時にまた、今度アジアエ科大学のほうに記念講演に招かれたり、私は北京大学の名誉教授もやっていますから、そういうところへ行くときに話してみたいと思います。何かこのごろ日本とアジアの国の話というのは、難しいものをいくら売って、日本がいくら黒字でわが国はいくら赤字で、日本はいくらしか援助してくれないから多いとか少ないとか、そんなレベルの、経済の、しかも貿易の帳尻問題の話が非常にギスギス多いものですから、私はときどき角度を変えて、昨年までは環境問題の話を一生懸命して興味をひくようにしてきましたが、これからはさらに一歩乗り越えて、日本でいま非常に皆が興味と関心をもっているスポーツ、アジアでもいろいろいまおやりになっているようですから、そういったところで、こういった問題を通じて、アジアのスポーツ面における交流などにも、新しい1つのページを開くことができたら、これは相互理解がますます幅広く奥深く広がっていく一助になるだろうと、私はこんなことを考えているわけです。
 きょうは指導者の皆さんの講習会だと承ってまいりましたけれども、どうか裾野がいっそう広がっていくように、皆が参加をし、ある程度の到達度をもって専門のいろいろな分野で幅を広げていっていただけるように、心からお1人1人の皆さんのご健闘を期待をいたしまして、私のきょうのご挨拶にかえさせていただきます。どうぞ頑張ってください。 ありがとうございました。