第6回日本ティーボールセミナー

1999年1月23日開催

◆ プロ中のプロ “ティーボール” を語る
◆ ティーボールは小学生に最適


開催要項

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会長挨拶
日本ティーボール協会会長 海部俊樹

 時計を見ますともう1時近いけれど、丸山さんがさっき「おはようございます」と言ったから、私もそれにならって、皆さんおはようございます。
 ティーボール協会というのができたときに、いかなるご縁か、早稲田大学の吉村教授から私に相談があって、こういうものだからぜひ協力しろと。先輩を見ると、私の知っておる懐かしい人がだいぶ協力しておられる。荒川さんなんかはその代表です。もっとも、私が野球ができたり、うまかったりしたわけではありません。ですが一つだけ頭にあったことは、国民みんなが参加するような、そしてみんなが自分の身体を動かして汗を流すことができるような、そんなスポーツをやることが理想的だなと。たしか私の最初の文部大臣のころに、オリンピックの選手ばかりでなく、もちろんそれも大事だから養成もするし訓練もするけれど、国民みんなが参加して、人間、生きているあいだは生涯を通じてスポーツに取り組むことができるようにするのが望ましいことではないか。そんな気風が出てきまして、生涯教育ということがだんだん前進してきた。
 このティーボールというのはなんかゴルフの兄貴みたいなものですね、一言で言うと。 球は飛んでこないんだから。目の前に置いてあるのだから。けれども、私の仲間から聞いた乏しい知識から言えば、小学校レベルの児童生徒が、身体の組織が全部完全になっていないうちから、あまり力いっぱい投げる練習をすると、肩を傷めたりバランスを崩したり、 いろいろなことが起こると。もっと身体がきちんとできてからそういったことは教えたらいいではないか。そういうような議論もいろいろありました。そんなときにティーボール協会ができて、これで打撃のほうをみんながまず身につける。
 プロ野球でも、素人の目から言うと、投手戦はあまりおもしろくない。たとえフォーク ボールであろうが、大魔神がいないから言うけれど、いくらストッパーが上手でも、それ だけでは野球はおもしろくない。われわれ国民感情からすると、バンバン打って点が入る、そういう乱打戦のほうが見ていて楽しいしおもしろい。そんな原点が私のなかにありますから、ティーボールの話を聞いたときに、よろしい、そういうことならばなおいいだろうと。
そうしたらだんだん話が大きくなって、一昨年の暮れにアメリカへ行きまして……。実 は私が総理在任中のパートナーであったジョージ・ブッシュ大統領がテキサスに記念館をつくった。その記念パーティーに招待されました。ブッシュさんは私と違って本物のエール大学野球部の選手で野球をやってきた人です。ですから、どうせ行くならアメリカにも ティーボールはあるのだから、ブッシュさんに知っているか聞いて、世界連盟をつくりブッシュさんに会長になって協力してほしいとみんなから要請を受けました。
 真面目にやるならばいいよということでブッシュさんもオッケーした。あの人はエール大学野球部のころのことが非常に思い出として残っておって、テキサスのブッシュ記念館に入ると等身大の自分が野球の姿をした写真がドンと置いてあります。
 まあ、そういうことで、これからの世界は、みんなが基本的なルールを守って、ルール に則って正々堂々と競争しながら、世界の安定と国民生活に安全を求めていかなければならない大変な曲がり角です。
 そういった意味からも私は、日本の社会の心のなかに、ルールを守ってみんなが参加し、みんなが汗を流して、基礎・基本を身につけるというティーボールはまことにふさわしいと思います。ですからこれからもできるだけ協力をしていこう、実技はできないけれどお話はできますから、いろいろなところでこういうことを言って頑張っていこうと思います。
 きょうはこんなに大勢の皆さんがおいでになったということ、ご苦労様でございます。同時にきょうと、あしたと2日間、講習会をおやりになるそうですが、そういったことを計画される本部の皆さんの情熱に敬意を表し、これからの一層の努力を心から期待いたしまして、私のご挨拶といたします。ありがとうございました。