第11回(10周年記念)日本ティーボールセミナー

2004年1月24日(土)開催

◆ 障害者にティーボールを指導して
◆ 幼稚園や小学校(1・2年生)に対する普及を


開催要項

➡ 第11回日本ティーボールセミナー実施要項(PDF)

特別記念講演「教育とスポーツ」
海部 俊樹会長

 一寸の余地なきと言いたいところですが、残念ながら今日もちらほら空席があるようです。来年か再来年にはこれが必ず満員になるように、同時に、私今聞いていて10年一昔という言葉がありますが、もう10年経ったのかというのが実感であります。「ティーボールというものがこの世の中に存在する、それはこういうことだ」吉村先生が一生懸命初め私のところに説明に来られた。話を聞いていたら、小学生、中学生の頃に、あまり力一杯投げると肩が壊れる。発達段階に応じて人間というものは育っていかなければならない。そのためには実戦のピッチャーというのは、確かに肩が壊れるから中学生までやっちゃいかんということですね。荒川さんそうだったでしょ、「うん」と言ってるから、間違いない。僕が言うならちょっと聞きかじりかもしれないけれど。それだから実際に投げるのはもっと上級生になってからでいい。それまでは球を打つ。野球のゲームで言うならば一番美味しいところだけをまずやる。そうすると子どもは飛びついて喜んでやりますしね。大体当たるからなんて言って、これやって当たらないときもあるのです。それは後から恥をかくといけないから偉そうなことは言いません。とにかく全員が参加して野外で競技ができるということは何よりも大切なことであります。
 私がちょうど総理大臣を辞めた直後で、何か役に立つことをやって世の中のためにご協力できるならしなきゃならんと思っておるところへ、早稲田から吉村さんが来てくれました。さあこれをやるからやれと言われて、飛んで参りました。あれからもう10年も経ったかと思うと本当に今昔の感に耐えぬものがあります。
 教育というものは頭を教える方と、心を育てるという字と、二つに分けてよく説明され ますが、私は知育、体育というように、体育の方も忘れてはいけないと思います。何よりも大切なことは、今の世の中で特にこれは政治家に聞かさなければならないけれど、ルールは守りなさいよ、やって良いこと悪いことのけじめはきちっと身をもって守りなさいよ、と言わなきゃならないと思うのです。この頃学校へ行くとみんながどういう話をしているか分からんが、国会では我々の仲間が集まると、学歴詐称ごときで棒に振るくらいなら、初めから卒業なんて偉そうなこと言わずに、中退だと言っておけば良かったな、というのがみんなの話なのです。そして今の日本の政治にとって一番大事なことは、初めのスタートを正直に行ったかどうか、ルールを守ったかどうか、そして守って、後ろ指を指されない行動をとってきたかどうかということに尽きるのであります。私はそれをみんなに他山の石として、あのようなことがあったときみんなが厳しく反省をするということが大学教育の根本ですから、ルールを守っていかなければならんと思うわけであります。
 全国で子供をはじめ、敬老会のお爺様、お婆様がティーボールの方が面白いと言います。ゲートボールよりも、ボールが飛んで行きますから。ゲートボールは地を這うだけですから、こそこそと地を這うよりも、打ったら飛んでいく方がいいということで、大分流行ってきたと私は思っております。これから精一杯、カー杯こういったことを広げてやっていくといいのだと思っております。なおアメリカに行ってブッシュさんのお父さんの方に色々と話をしたら、アメリカにもちらほらあるようですから、そのときにはまた一つ荒川 先生にでも行ってもらって、実技指導をやる。アメリカにもチームがありますからそれとも共同して、できたら世界選手権のようなものができるところまで持っていこう。夢は大きくですから、大きなことを色々と考えながらやっているところであります。それにしては今日ちょっと数少ないから、もっと大勢の人が集まって応援をしっかりとしてもらってみんなが参加してこのティーボールを盛り上げてくださるように心からお願い申し上げて、ご挨拶とさせて頂きます。ありがとうございました。