5月6日 明治時代の野球関係の復刻版10冊、一昨日紹介しましたが、まだ3冊自宅にありました。それを紹介します。
明治時代の野球関係の復刻版、5月4日の「理事長からのショートメッセージ」で紹介した10冊以外にまだ自宅に3冊ありました。本日はそれらを紹介します。
- 明治廿九年七月十八日発行,「ベースボール術」(40ページ)高橋慶太郎編,東京同文館.
- 明治三十二年八月十五日発行,「最新ベースボール術」(101ページ)髙橋忠次郎・依田直伊・小野泉太郎編,東京岡崎屋書店.
- 明治三十六年七月四日発行,「発卯野球試合記念」(52ページ)伊東卓夫編集兼発行者,美満津商店.
以上です。前回同様、それらの書籍の特徴を紹介します。
1は、「遊技者之姿整」として今で言うイラストが描かれています。
- 先ず「P」(注:今で言う投手のこと)は、ピッチャーズ・ボックスの中で、打者に対して正対した姿勢(注:10年ほど前のソフトボールの投手のセットポジションと同じ姿勢)、そこから投手は投球する肘を伸ばしたままで、下手から投球する姿勢が描かれています(注:スローピッチの投手の投げ方です)。
- バッターの構えは、いわゆる神主打法の最初のバットを立てて投球を待つ構え。
- フィルダーは、低めのボールをキャッチする姿勢が描かれています。
それ以外でも、英語の翻訳が興味深いです。
- プレヤースは遊技者
- マッチは競技
- グラウンダーは俗にいう「ゴロ」
- バットは棒
- バッターは打手。
11ページと12ページには、用具のイラストがあります。
- キャッチャーミットはハート型
- キャッチャーマスクは、Cの左手に嵌むる手袋
- ネットはCの定位置の後ろに張る「あみ」と解説されています。
2は、巻頭の凡例がとても興味深いです。箇条書きにて紹介します。
- ファーストベースマンを第一塁の防御手、又は第一塁手
- ピッチャーを投球者又は投者
- キャッチャーを受球者又は受者
- バッターを打手
- スリーストライクを三度振
本文では、
- ランナーは走者(現在と同じ)
- アンパイアは審判官
- マネージャーは書記
- キャプテンは相談役
- サブスティテュートは豫備員
イラストでは、
- 現在のホームプレートのところに、現在の塁ベースが置かれています(8ページ)
- バットとボールのイラストでの紹介では、全国諸学校御用の安藤商店の用具がイラスト化され、28ページには「同店は明治十五年以来全国諸学校の御用商となし主人自ら製作しつつ数多の職工を監督するを以て(略)」と本書でPRされているのです。
3は、今ふうに言うと「写真で見る(当時の)野球試合本」とでもいえるのではないでしょうか。
- 第一高等学校對米国軍艦ケンタッキー
- 第一高等学校對オレゴン号
- 東京府下総合野球大會景況
以上の試合の結果や経過を解説したものです。第一高等学校は今で言う東京大学。明治の中期において、この第一高等学校野球部が果たした野球界における貢献はいかに偉大であったかということが、これらの書籍で窺えます。これらの復刻版の解説を担当されたのが神田順治東京大学教授で、その解説の内容も興味深いです。
