9月23日 今回から私の著書の「まえがき」、「はじめに」といった「巻頭言」を紹介します。
第1回は、「写真で見るソフトボール」(昭和51年8月、成美堂出版発行)です。
私が早稲田大学体育局助手として採用されたのが昭和50年4月でした。その約1年後にに執筆したのが、「写真で見るソフトボール」(昭和51年8月、成美堂出版発行)でした。本書の内容につきましては、2021年11月15日の「理事長からのメッセージ」においてご紹介させていただきました。ここでは、その著書の冒頭に書きました「はじめに」を、以下にご紹介したいと思います。
はじめに
ソフトボールは、現在アメリカで最も多くの競技人口と施設を持っています。しかし、わが国ではまだまだ日の当たらないスポーツ競技の1つといえましょう。わが国では、戦前・戦後を通して、ソフトボールは「女子が行う野球である」という、誤った認識が一般に定着し過ぎてしまいました。
「女のくせに野球(ソフトボールのこと)をやるのですか」、「男のソフトボール大会ってあるんですか」。
もうこのようなことばは聞き飽きてしまいました。ソフトボールは素晴らしいスポーツです。ソフトボールは青少年に大きい夢を与え、壮年や老人に若さをよみがえらせる球技です。狭い土地で、老若男女を問わず大勢の人たちが楽しく、手軽に行える球技、それがソフトボールです。われわれはもっとソフトボールの本質を知るべきです。
本書は、ソフトボールに興味をいだく人たちに対して、ソフトボールをわかりやすく写真と絵を用いて説明しました。本書は、入門編、技術編、審判編、それに資料編の4部から成っています。
入門編は、ソフトボールの歴史を中心にソフトボールとはどのような特質を持った球技なのか、そして、その球技はどのような施設と用具を用いて行うものなのかを説明してあります。
技術編は、ソフトボールの基本的な技術である「投げる」「捕える」「打つ」「走る」動作を、一流選手の写真と、図と絵をもって誰にでもわかるように説明してあります。
審判編は、審判員がいかにソフトボール試合を裁定していくかというだけでなく、試合の記録のつけ方も同時に説明してあります。
資料編は、難解なアメリカ・ソフトボール用語と、アメリカだけで広く行われている14インチと16インチのソフトボール規則を翻訳して紹介しました。
本書が、ソフトボールを楽しむ人たちやソフトボールの選手、ならびに体育およびレクリエーション指導者の方がたに少しでもお役に立てば幸いだと思います。
なお、本書に挿入した写真は、国民体育大会と全日本大学選手権大会を中心にして数々の全国大会で写した写真、約5,000枚の中から選び出しました。
最後になりましたが、本書の写真の撮影は早稲田大学ソフトボール・クラブOBの頼住道夫氏(厚木市立戸室小学校教諭)に多大のご協力を仰ぎました。ここに感謝とお礼を申し上げます。
吉村 正
以上です。
この著書の発刊は昭和51年8月でした。当時助手であった私に執筆の機会を与えてくださったのが、当時の体育局教務主任の伊藤順蔵教授でした。伊藤先生には、そのときの感謝の意を込めて、その先生には、その15年後(1990年)に出版した「現代ソフトボールの戦法:全4巻」(1,500ページ)の推薦文を書いていただきました。
さて、この著書を出版したとき、私は31歳の若輩者。そのため、3人の恩師の先生方に推薦文を書いていただきました。一人目は、ソフトボールだけでなく私の人生の恩人でもあったハワイのマサオコイケ先生。二人目は、当時京都明徳商業高校のソフトボール部監督(後の校長)であった福西康夫先生。三人目は、私が早稲田大学入学して5日目に日本体育協会を訪問して、日本のソフトボールの現状を詳しく説明してくださった松岡敬之先生。それらの推薦文については、次回ご紹介したいと思います。
【引用文献】
吉村正(1976)写真で見るソフトボール、成美堂出版.
