3月15日「北京冬季パラリンピック閉幕。これを機会に、ウクライナ侵攻も閉幕(終了)してください」
3月13日、北京冬季パラリンピックが閉幕しました。メダルの獲得数で1番は中国で金18個、銀20個、銅23個。計61個。2番はウクライナで金11個、銀10個、銅8個。計29個。3・4・5位は、カナダ、フランス、アメリカと続きます。日本は金4、銀1、銅2、計7個でした。早稲田大学スポーツ科学部出身、選手団主将村岡桃佳選手の活躍が大いに光りました。
村岡選手!大活躍、おめでとうございます。
村岡選手の明るいニュースの一方で、ロシア軍のウクライナ侵攻があり、複雑な思いでもありました。ウクライナのメダル計29個というのは、特筆ものですが、活躍された選手の母国への思いを推察すると、気が重くなります。
私は、早稲田大学人間科学部人間健康科学科で「セラピューティック・レクリエーション【TR】(治療的レクリエーション)」という科目を10年間ほど、担当しました。この授業は、アメリカの「「レクレオロジー(レクリエーション学)」の中では、「ツーリズム・サイエンス(観光科学)」と同じくらい重要な領域の学問と認識されているものです。この「TR」は、アメリカでは、戦争(第二次世界大戦・朝鮮戦争・ベトナム戦争等)で負傷した人たちの社会復帰を進めるために、急速にこの分野の研究と実践が進んだのでした。
私が、ハワイ大学にいた頃、元軍人であり大柄でいかつい人たちが、大学の施設を利用して、優しい笑顔で障がいのある少年少女に、楽しいレクリエーション活動を教えているというか、一緒に楽しんでいるのです。この光景が私には忘れられなくて、早稲田大学に戻ったら、必ずこのような授業を行いたいと思っていたのでした(健康福祉・青木杯のティーボール大会は、この思いの延長線上にあります)。
私のゼミ「健康(教育)とレクリエーション(教育)」では、この「TR」の分野に関しては、「喘息児の運動療法」をテーマに選びました。学生たちは、この運動療法を行って、喘息とは、西洋医学と喘息との関係は、ホリスチック医学や東洋医学とは、運動誘発喘息とは、アレルゲンとは等、様々なことを学びました。喘息を持った児童とのティーボール活動では、どの時間的間隔(間・インターバル)をとって子どもと接すれば、また、負荷をかければ、喘息発作が起こりにくいか等も実技を通して学びました。
喘息児の母親や家族は、その子どもの「名医」と言うことも学びました。教えもしました。
以前、大学の付属校から、聴覚障がいのある生徒が政治経済学部に入学しました。彼の高校時代、同級生を中心に、手話サークルが誕生。若者たちは、聴覚に障がいのある人への接し方をその友人を通して、多くのことを学びました。大学に入学されてからもこの傾向が続いたと聞いています。同様に、肢体不自由で入学した学生のために、地下鉄早稲田駅は改良工事、誰もが通りやすい街へと変貌していきました。彼らを通して、教職員、学生、地域の人々は、バリアフリーやノーマライゼーションを学びました。
「障がいのある人が住みやすい街は、障がいの無い人にとってはより住みやすい街」である。これを教えてくれました。
同様に、このパラリンピックで活躍した村岡選手が、所沢のスポーツ科学部に入学した7年前でしょうか、彼女の通学にとって不自由がないか、教室への入室はスムーズに行えるか、トイレは、エレベーターは、リフト付きのバスは用意されているか等々、教職員はじめ学生、地域の人たちが、これまで以上に、考え始めました。このように、障がいのある人が我々のそばにいると、その周りの人たちが、理論的にも、精神的にも、社会的にも成長できる社会になるのです。
この度の北京冬季パラリンピックでは、昨年の東京パラリンピックに続き、このようなことを世界の人たちが再び学べるきっかけになるはずでしたが、「平和の祭典」が戦争で台無しです。残念・無念です。
北京冬季パラリンピックが閉幕しました。これを機会に、ロシアのウクライナ侵攻も閉幕(終了)してください。心から祈ります。
