2月28日「球春到来。気分は最高。身体は全身筋肉痛。そのギャップは大きいです」

 北京オリンピックが終わり一週間経ちました。一昨日と昨日は、とても楽しい日々を送りました。東京は一気に春。気温は15度に上がり、正にソフトボール日和でした。私は、土曜日は女子の投手を中心に、昨日は女子部員全員に対して、守備の基本を本格的に指導しました。その折、男子部の主将、副主将、主務で捕手、学連委員、それに新3年生の幹部候補生2人もビデオカメラを持っての参加。

 私が部員全員に対して、マイグラブを持って、守備の指導を行うのは、約10年振りです。今から9年前、右肩けん断裂、骨折もしました。全治3ヵ月、右肩にはその時、アンカーを4、5個入れての治療でした。数か月ほどして、手術をした先生からもうゴルフなら、出来ますよと言うありがたいお言葉を頂いても、右肩の廻旋運動のリハビリはしていたものの、この10年、キャッチボールやピッチングは、怖くて行っていませんでした。

 ところが昨日、気候が良く、花粉も少ない、加えて女子部からの指導の要請もあり、守備の指導を決断しました。

 先ずは、そのウォーミングアップとして朝の男子部の練習に参加。10時過ぎから、男子部のエースとキャッチボール。私の身体はこの10年間でさび付いています。先ずオーバースロー、ぎこちないです。何か分解写真を見ているようなイメージでボールを投げています。自分で分かります。次に、下からのウインドミルピッチング。これはなぜかウインドミルとスリングショットの中間的なフォーム。腕を速く振るのが怖いのです。勿論、速いボールは投げられません。

 男子部員の全員は、私がキャッチボールをするのを見るのは初めて。興味深く私の投球フォームをちらっ、ちらっと見ています。結構楽しいやら、プレッシャーやらです。結局、4、50球投げたところで、身体がしんどくなり、休憩です。そこに男子部監督が来て「先生のキャッチボールを見るのは、10年振りです。先生のこのグラブは?」とのこと。ここからは当然のように、グラブ談義に入りました。

 そこで、私は、「このローリングスのグラブはなあ」から始まり、「これはアメリカで買ったメイドイン・コーリアのものだよ。30年ほど前から使っている」。監督曰く、「これはメイドイン・コーリアですか。初めて見ました」。「アメリカでは、その時々で、手ごろなグラブを買おうとすると、その時々の工場がどこの国にあるかが分かるよね。『ナイキの戦略』を知っているか。工賃の安い国で、運動用品を製造し、それを世界中で販売する。確か、20年前だったらフィリピン、10年ほど前だったらベトナム、35年ほど前だと台湾、今だったらどこの国ですかね」。と言う話で盛り上がりました。

 私が、アメリカでプレーしている時、メイドイン・アメリカのグラブなんて高すぎて、買えません。良い成績を残して、スポンサーから頂くのみでした。今、日本にはいいグラブが山のようにあります。羨ましいです。そのためか、選手は我々の時代よりも、グラブを初め野球・ソフトボール用具を大切にしない傾向があります。選手は、30年前に使ったローリングスのグラブを見ただけで、それが存在することに大きな驚きを感じているようです。因みに、私は、51年前にアメリカで使用していたウィルソンのグラブも大切に保存しています。2年半の留学中に350試合で使用した時のグラブの一つです。

 13時になると、女子部員と男子部員とが入れ替わります。早速、女子部の主将と監督が来て、守備の指導をお願いします、とのこと。昨年の12月からこの3ヵ月間は、バッテリーのみの指導でしたが、この暖かさです。上着も脱いで、守備の全体練習もいいかなと言う感じ。13時から女子部員全員でウォーミングアップ、終了後13時20分からの私の指導。身体がどれほどもつかな。これが一番の心配の種でした。16時40分まで、自分でいうのもなんですが、熱血指導で、自分の身体に自信が付きました。

 指導は、先ずはスローイングから、ツーシーム、フォーシームの握りを示す。実践では、野手は捕ったら縫い目(シーム)に関係なくすぐにボールをわしづかみにして、捕球しようとする選手に正確に投げる。ツーシーム、フォーシームと握りを替えていると打者走者は一塁でセーフになる。スナップスローで素早く投げる。先ずは上半身の動きの指導。次に、フットワーク、下半身の動きです。軸足の位置、向き、踏み出し足の方向、腰の使い方等を指導。いい感じです。私は、乗ってきました。

 次にキャッチング。グラブの出し方は、進んでくるボールに対してグラブはポケットの部分をしっかり開いて、直角に出す。そして、パーンと大きな音が出るようにして捕る。音が小さい時は、網で捕っているか、最初に指の部分に当たってから、ポケットに入る。音が二つに割れている。これだと完全捕球が遅れるだけでなく、落球する確率も高まる。次に、高め、低め、右、左に逸れたボールのグラブの差し出し方、その場合、どの程度まで両手でボールを捕りに行くか、どのあたりから、片手捕りを試みるか、逆シングルでの捕球法、片手捕りを試みると、守備範囲は広がる。片手捕りをすると集中力が増すせいか、完全捕球をする確率が意外と高まる。これらを、身振り手振り、実技を交えての指導。疲れを感じさせません。

 これらの投げる、捕る、フットワーク等の基本が理解できたら、ボールを捕ったらすぐ投げる練習を1分間行う。実際にこの練習を部員が行うと、額に汗を掻く部員が出てきます。そこで、私は、いいか君たち! 1分、1分だよ。これが実戦のキャッチボール。これを行うことが極めて重要。ボールをツーシーム、フォーシームと探りながら投げられるのは投手だけ。君たちが通常行っているキャッチボールは、私は「ちんたらキャッチボール」と呼んでいる。と。

 その後は、ゴロの捕り方。構えから身体の移動、スタートを早くするにはどのような姿勢から動くべきか、グラブは脳から遠い位置に、そこから、引き付けるようにすると反応は早くなる。反対に、ドジョウ掬いのようにグラブを上から下へと移動させると、いわゆるトンネルする確率が高まる。ボールの捕り方は、色々ある。グラブを上に向け、投げる手を上からかぶせるように捕る、今頃の高校球児は、この捕り方が多いよね。でも私は、このように両手で捕りに行く。捕った後はグラブに沿えていた手で、素早くボールを握り、そして正確に投げる。

 最後に、投球者は、捕球者にショートバウンドのゴロを投げる、捕球しようとする方は、それを捕り、相手に投げ返す。これを繰り返す。どうですか。このキャッチボールも気合が入るでしょう。集中力も増すでしょう。もう少し慣れてきたら、グラウンド整備を丁寧に行った後で、ハーフバウンドの捕球練習もやろう。もしそのゴロが怖いと思ったら、捕球者はマスクとレガースを付けてやろう。

 こんな感じでの指導。自分で言うのもなんですが、良かったです。10年振りのグラブを持っての実技指導、終わったら、ちょうど16時、2時間40分の指導でした。その後は、これらの練習の質疑応答、これも全てビデオに収録しているようです。練習終了は16時40分。今日の午後の指導は3時間20分。この続きはまだあります。部員との一問一答。これは来週末のお楽しみ。

 球春到来。気温は15度、風はなく、気分は最高。

 しかし、今日のマンデーモーニングは、身体は全てに筋肉痛。

 気分と身体のギャップは大きい、今日のマンデイモーニング・クオーターバックでした。