3月4日「医学と野球、医学とソフトボール。その連携は極めて重要です。ティーボール協会(シンクタンク)はそれを大切にしています」
昨日は、日本ティーボール協会は、「シンクタンク」としても特徴があると書きました。その中で、野球と医学、ソフトボールと医学、これについて、その連携がとても大切であるとも記しました。
私が、野球・ソフトボールと医学は常に手を結び、選手の健康を考えていくべきだと理解するようになったのは、1985年から1986年かけてのハワイ大学での客員教授並びに課外活動において、野球部とソフトボール部の指導を行った時でした。当時アメリカの多くの大学では、選手の血液を採取し、ストレッサーを測定してもいいかどうか。怪我をしたときにはどの分野の先生に相談するべきか、怪我人を出した時の責任は、心の病の時はどう対応するか等々、様々なケースがよく話題に上っていました。いわゆる、スポーツメディスンやメンタルヘルスの研究です。
1986年に帰国したその年、私は厚木市において開催された、「ストレス科学研究所設立シンポジュウム」のシンポジストとして登壇しました。その折、その研究所の初代副院長となられた竹下俊文先生とお会いし、そこで先生に、スポーツと医学の連携についての必要性を熱く語りました。竹下先生はそのことに賛同して下さり、その後、戸田中央総合病院内科部長兼ソフトボール部部長の安達正夫先生と、ベストセラーとなった「僕が医者をやめた理由」を執筆された医療ジャーナリスト永井明先生の二人を紹介してくださったのです。この3人の医学の先生と一緒に、「スポーツ医学研究会」を創ろうということで一致しました。
スポーツ界でこの取り組みに賛同する先生は誰かと私は考え、そこでお誘いしたのは、東京理科大学の丸山克俊先生と早稲田大学体育局(後に人間科学部スポーツ科学科に所属)の加藤久先生でした。1986年11月に、上記の6名で「スポーツ医学研究会(吉村正会長)」をスタートさせたのでした。それから5年後に、私が編集委員を引き受けていた「コーチング・クリニック」(ベースボール・マガジン社)に、当時、東京医科大学の病院長で、常務理事も務められていた伊藤久雄先生と、早稲田大学体育局局長の伊藤順藏先生をお誘いして、スペシャル・ビッグ・インタビュー「スポーツと医学の接点を求めて」というタイトルで、対談をしてもらいました。そのときの聞き手は、伊藤久雄先生に対しては安達正夫先生が、伊藤順藏先生に対しては私が行いました。
対談・インタビュー後、私は編集部からそのまとめと感想をお願いされました。そこで、最後の「結びにかえて」では、次のように書きました。
「体育・スポーツ、それに医学の研究分野には、互いに共通するプラス・マイナスの部分が多々あるように思われる。それは、グラウンドや臨床といった“現場”を大切にすることであり、一方、若い研究者が育ちにくいという土壌、封建制度が色濃く残る師弟関係、他の分野との共同研究を嫌う体質などである。思いのほか沢山あるようである。その様な中で行われた今回の企画は、伊藤久雄先生と伊藤順藏先生の素晴らしい人間性と学問的情熱と誠意に支えられて挑戦した、一つの新しい境地を切り開くものといえよう。」
「東京医科大学病院長と早稲田大学体育局局長という、医学と体育・スポーツのある組織のトップが、単なるイベントのためのインタビュー、あるいは対話をしたということにとどまってはならないのだと思う。この企画が一つの契機になって、医学やスポーツの若手・中堅の研究者が交流し、協力体制を整え、よりよい学際的な研究を誕生させ、健康・スポーツ医学の発展に貢献していかねばならないと思うのである。」と記しました。
日本ティーボール協会を創設するちょうど2年前、1991年11月のことでした。その2年間に、この研究会は成長して、いくつかの研究プロジェクトがスタートしたのです。「喘息時のためのサマーキャンプ」(主催:戸田中央総合病院、責任者:安達正夫先生)、「日本ティーボール協会の発足」(吉村正初代筆頭副会長)、「スポーツにおけるストレス研究」(永井明先生)等です。
1993年11月22日、日本ティーボール協会発足記者発表会には、登壇した12名中、4名が医師でした。伊藤久雄先生が特別顧問、安達正夫先生が常務理事等です。その関係で、この協会当初は、医師の野球好き、ソフトボール好きが集まったのでした。
伊藤久雄先生はその後、大学の理事長に就任され、先生の友人で、当時戸田中央総合病院理事長の中村隆俊先生が、東京医大がん研究事業団理事、そして私も、そこの評議員を拝命されました。このような繋がりもあり、中村隆俊先生には、日本ティーボール協会の設立当時から顧問をお引き受けくださっています。また、そのご子息は、皆さんはご存知の現病院理事長の中村毅先生です。
中村毅先生は現在、日本ティーボール協会埼玉連盟の会長を務められています。埼玉・西武のドームで開催する「全国小学生ティーボール選手権大会」には、毎年、救急車と職員、並びに看護師を必ず手配してくださっています。日本ティーボール協会の大恩人です。
今日は、31年前の私の考え「スポーツと医学の接点を求めて」について、紹介しました。
日本ティーボール協会は、野球と医学、ソフトボールと医学の連携を大切にして、講習会や各種の大会を開催しています。
