第4回日本ティーボールセミナー
1997年1月25日開催
◆ 養護学校におけるティーボール指尊を考える
◆ 3年の歩みー21世紀に向けて一
開催要項
➡ 第4回日本ティーボールセミナー実施要項(PDF)
海部会長挨拶
ご紹介をいただきました海部俊樹です。ティーボールというものが生まれるから、ぜひ協力をするようにと言って、早稲田の吉村先生やその他の方々がおいでになって、私もお役に立つことは何でも引き受けて世の中のためにご恩返しをしなくてはいかんという心境になっておりましたので、喜んでお引き受けして飛んでまいりました。
去年もたしか同じこの会場でやったはずですけれども、ことしはずいぶん大勢の方がおいでになって、それだけますますこの競技のすそ野の広がってきた証拠であると、私は喜んでおります。同時に口はばったいことを言うようですが、私が文部大臣のころに、代表選手が出ていって立派に頑張ることも大切だけれども、皆が参加をして、参加をした皆が それぞれ汗をかいて努力をして、体ごと動かすような競技はよりすばらしいから、うんと普及させよう、こんなことで、私も見据えてきた者の1人でございます。仲間に言わせると、飛んでくる球を打つからこそスリルがあって、止まっている球を打つのはスリルがな いじゃないかと言った者もおりますけれども、止まっているのを打つのがいかに難しいか。この前はまぐれ当たりでここで私が振ったら当たったんですよ。場外ホームランみたいなもので、二階の後ろまでいきましたが、あれを本当の場でやる。しかし考えてみると、本当の投手戦、きょうは荒川さんもいるから言いにくいんだけれども、投手戦というのは素人が見ているとあまりおもしろくないんですよ。打撃戦のほうがおもしろい。というようなことで、早稲田大学の時代も私も野球というものには接しておりましたが、このティーボールはありとあらゆる立場の人々にやっていただくのに適していると思います。
この間私の事務所へ、養護学校の担当の先生が来られて、これをやっておると皆が喜んで参加してくれるんだと。ということになりますと、すべての人が参加をすることができ るすばらしい競技であるということになってまいります。私はこれからもいろいろなとこ ろへ行って話をするときに、このティーボールのことについて必ず一言触れてくるようにしようと。同時に多くの国々のいろいろな人々がこういったものを通じて、共通のルールのもとで共通の問題のもとで、体ごと頑張ってもらうことが大切だと思うわけです。この頃すぐに、いくら儲かったとかいくら損をしたとか、だれが言ったとかこれがこう言ったとか、何か後ろ向きの厳しい問題ばかりが目の前に出てきておりますが、そういったもの をいっさい離れて、人間が力いっぱい汗を流すことによって相互理解が深まる。こういった文化、あるいは体育交流、スポーツのほうの振興というものが何よりも大切だと思っております。
そういう意味で、きょうはこれだけ大勢おいでいただいた皆さんに心から敬意を表するとともに、地方でご尽力いただく指導者の皆さんの存在、教育は人なりと言いますが、ス ポーツもやはり人なりでありますから、そういった方面において、それぞれの立場で十分ご研鑽を積まれ、協力をし、力量を発揮してくださることを心から強くご期待をいたしまして、最初のご挨拶にかえさせていただきます。ありがとうございました。