第26回日本ティーボールセミナー

2019年1月12日(土)開催
幼児、小学1・2年生のためのティーボール教室(DVD)完成

◆ 幼児、小学1・2年生のためのティーボール教室(DVD)完成
◆ 指導者はどうあるべきか


開催要項

➡ 第26回日本ティーボールセミナー実施要項(PDF)

副会長挨拶 池田哲雄氏

 ご紹介に預かりました池田です。新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
 第26回ティーボールセミナー、開催することが出来まして、本当におめでとうございます。少子化が叫ばれて久しい訳ですけれども、野球型ボールゲームの人口がどんどん減っているということに危機感を抱いて、吉村正先生が何十年も頑張ってきたソフトボールから始まってこのティーボールに力を入れてきたのですけれども、これがようやく全国、アジア、世界へと輪を広げているような現状です。昨年は京都府宇治市の広野幼稚園、この理事長、園長先生は吉村裕さんという吉村先生のお兄さんでいらっしゃいます。先ほど映像で出ていましたけれども、本格的な幼児ティーボールのグラウンドが初めて出来たという本当におめでたい、有意義な指導風景であったと思います。
 そして去年は、幼児・小学校1・2年生向けのティーボール教本を我がティーボール協会から出すことが出来まして本当にうれしく思います。日本野球連盟の皆様と、高校野球連盟の皆様と一緒になって作った本です。これは本当に吉村先生が力を入れられて、素晴らしい出来のいい秀作だと、決定版だと思っております。昨年12月にはDVDも出来ましたので、どうかご覧になって頂けたら本当に嬉しく思います。
 本当にボール型、野球型ボールゲームの普及ということで、情熱を傾けている訳ですけれども、来年は東京五輪があります。ソフトボール・野球が復活する訳ですけれども、それ以降の野球・ソフトボールをどうやって世界に広げていくか、これは本当にティーボールが重要な役割を果たしてくれるかと思います。本当にこの用具を見ていますと、一見簡単そうなのですけれども、決してそんなことはありません。これを使って、効率的な練習、効果的な練習をするのは、ものすごく難しい訳ですから、ここで丸山先生とかいろんな方にご尽力頂いて、ここにお集まり頂きました指導者の皆様に本当に指導の在り方、どうやって普及していくかということをこれからどんどん広めていかなければならないと思います。本当にこの輪がだんだんと広がって、例えばプロ野球の選手会なんかでも、キャッチボールを、いかに制限された時間の中で多く往復出来るかというキャッチボールの大会を始めています。このティーボールは、やはりボールゲームの基本を教わるということと、ここから本当に老若男女で集まって幼児期の一番大事な時にボールを投げる、そして打つということを覚えさせて、まずボールゲームの楽しさということを教え、さらにこの規律性ということも学ぶことが出来る訳なので、本当に素晴らしいスポーツだと思います。
 ティーボールの輪の世界への広がりは、皆様がこれからどうやって努力していくかということがカギになります。そういった意味で、本日のティーボールセミナーが有意義なものになるように、私達も応援していきたいと思います。


理事長講演  吉村 正氏
(中国煙台大学客員教授・元早稲田大学教授)
「10月7日(ティーボールの日)・DVD完成 -SGバット、J.T.A.ボール完成 使用の義務化に向けて-」

 こんにちは。今、見渡しますと、北は北海道の方はお見えになっていないので山川さんが山形でいちばん北ですか。山形から、全国、40都道府県の代表の方がようこそ、この早稲田大学にお越し頂きました。大変ありがとうございます。今、池田副会長から話がありましたように、この日本式ティーボールは、日本で加速度的に普及しています。また東アジアですごい勢いで普及しまくっています。これはひとえに、今日お集まりの都道府県の責任者の方々が、その地、その学校、その職場で、多大なる貢献をしてくださっているおかげだという風に思っております。高い席ではありますけれども、皆様方に心から感謝したいと思います。今日、私は理事長講演というか、理事長からの報告でありますけれども、4点ばかり用意しておきました。皆様方、今日の第26回日本ティーボールセミナー開催要項をお持ちになっていると思いますけれども、その裏にですね、今日これから20分前後話します。内容のその流れ、レジュメをご用意してまいりました。ご覧頂きながら、私の話をお聞きください。

【SG付きバット使用を義務付け】
 正月の冒頭、とてもうれしい話があります。それは今年の4月から、ミズノさんのSGバッ卜、セーフグッズのバット、これが日本で大々的に販売されることになりました。3本とも、1本9000円、それだけしっかりした素晴らしいバットです。4月からは、このSGバッ卜を、2万以上の小学校があるのですけれども、そこではこのバットを全部義務づける、という方向で行きたいと考えております。同じように、ナガセさんも、ここにSG、で、日本の我々の公認マーク、この2つがないと、小学校の校庭では使えないバットという風にしたいと、それほどですね、すごいことがこの26年目で起こりました。なぜそういう風にするかというと、ここに劣化したバットを持ってきました。ナガセケンコーさんは、我々の考えに沿っていつもいいバットをお作り頂いていたのですけれども、少し使っていくと、こう劣化してグリップが悪くなったり、こうやって抜けそうになったりします。これはもう推奨品にもしない、という風にしました。もっと言うなら、今お見せしました通り、これはメーカーの名前こそ言いませんけれども、ティーボール、と書いてあるんですね、こういうプラスチックで、こうやって釘が出ているような、これが、全国の小学校で、あちこちで使われているということ。これで固いボールを使われると、怪我が多い。この場合、これは公認しません。もともと公認していません。こういうのが出回りすぎていた。非常に危ないティーボールをこの25年間やられてしまった。2008年から小学校の3年・4年・5年・6年生で、ティーボールは必修になった訳でありますが、こういうまがいものが出回る。もっと言うと、これなんか無印です。これも大手の学校教材のメーカーですけれども、無印で、これでティーボールをやれ、というようなことになっている。そういうもの を排除します。SGマークの付いたものを皆様方はぜひ使うようにしてください。

【J.T.A.浮彫ボールを公認】
 そして全国大会、今年は7月29日、月曜日に決まりました。それは全部SG付きのバッ卜を義務付けます。ご理解ください。その場合、どういうボールにするのかということでありますけれども、ここに持ってまいりました。ボールもですね、いろんなボールがあります。こんなふにゃふにゃなボール。こんなティーボールと書いたボール。台湾から来た、中国から来た、韓国から来た、こういうものを排除します。このSGのバットを作る時に、製品安全協会がどのボールで実験をやったかというと、このナイガイのボール、ナガセのボールです。しかし、実はこれらのボールが使われていくとインクが消えていく訳です。お分かりですか。インクが消えていく。そうすると、まがいもののボールと無印のボールとが見分けがつかなくなってしまう。これを排除します。じゃあどういう風にするかというと実は、J.T.A.のついた金型を去年我々は作りまして、このボールですね、J.T.A.、Japan Teeball Association、これが浮き彫りになっているボール、これを公認します。 12インチ、9インチ、11インチ、これを使います。これ以外のボールは日本ティーボール協会として今年から公認しません。このボールを使ってこのバットで打って、それで我々は塁間を決めるということであります。このバットで、今言いましたように、このボールを打てばですね、塁間は5メートルぐらいということになるのです。それでは我々が作った楽しいティーボールが出来なくなってしまいますので、ボールとバットはこれで確定させていきたいと考えております。

【幼児&小学1・2年生向けの用具について】
 加えて、先程池田副会長から話がありましたように、我々は幼児、小学校1・2年生の用具はどういうものが良いかというのは、20年近く研究、実践して参りました。それで今年からですね、幼児のバットは、これです、少し短めの子ども用のバット。1・2年生は このバットを公認します。これはまだ製品安全協会からSGのマークをもらえていません。このバットを使った場合、バッティングティーはこっちの方になります。先程のこのバッ卜を使った場合バッティングティーはこっちの方に、それでボールはオレンジのボール、インドアティーボールと呼称したボール、これで小学校1・2年生、幼稚園、これで統一して頂きたいという風に思います。
 次にバッティングティー、今触れましたが、バッティングティーはここにある2つを我々は公認している訳ですが、この春ぐらいから製品安全協会と親密な連携をとってバッティングティーをですね、これからSGのついたものをティーボール協会で用意していきたいという風に考えております。ですからSGのつかないバットで色々やって怪我しても我々は当然責任を持ちません。全てSGマーク付きのバットでおやりください。学校、各小学校にもそれを通達しようかなという風に考えております。

【幼児&小学1・2年生への普及に向けて】
 2つ目、幼児&小学1・2年生への普及。これも先程、話がありましたけれども、昨年のこのセミナーでこれですね、「幼児&小学1・2年生のためのティーボール指導教本I」を作り上げました。5000部刷ったのですが、なんと5月に全部売り切れました。それでまたすぐ3000部刷りました。もう在庫がありません。これはご存知のように、日本野球連盟、社会人野球、それと高野連と一緒に我々が作ったもので、先程、DVDで丸山先生が指導されていました指導法をですね、カラー写真で撮って作り上げた力作です。それが今大変な勢いで普及し始めているというところです。
 2番目、その関係で我々は、TTA特別公認指導者認定講習会を日本野球連盟の人達、高野連の監督、コーチ、マネージャー、指導者を対象にやらねばならなくなりました。丸山先生と私で全国8ブロックに分けて講習会をしまくりました。東北、関東、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州でその受講生が551人、日本野球連盟絡みの方々です。
 このもう1つの資料をご覧ください。右側に大手企業の名前がズラッと出ていますけれども、これが日本野球連盟に所属している球団です。このチームのキャプテン、コーチ、マネージャーのレベルの方達が受講に来られました。この方々が全国200の幼稚園、保育所、子ども園に指導に行っておられる。その指導に行く時に、幼児用のボール30個と、バット5本と、バッティングコーン5本を利用して指導なされて、そのままその用具を幼稚園に 寄付する。このうねりを、日本野球連盟が作ってくださっています。右側にあるのが、福岡での実績です。下にあるのが広島での実績です。こういうような形で、全国47都道府県でおやりくださいました。裏面は、これは高野連との連携になりますけれども、1年1か月前に私が高野連に行きまして高橋、井上両副会長と話して、去年は1億5000万の予算が付きました。その5分の1から4分の1をこの左側、子ども向けティーボール教室の開催、ティーボール向けの予算となりました。それで47の都道府県の高野連に150万ずつ配られまして、例えば東京都だと更に300万計上し、合計450万が東京都で使用されました。33の高校で近くの幼稚園児、保育園児、子ども園の子ども、それから小学1・2年生の子どもを集めて、ティーボール教室をやる。こういう流れをプロ野球の方々、軟式野球の方とかソフトボール関係者にかなりご覧頂いていて、我々がやらなければいけないと、彼らも去年の秋ごろからやり始めておられるようです。こんなうねりが今出来てきているというところです。
 次、そんな流れに乗って、DVDを1年かけて作り上げました。それがこれです。第1巻が「TTA初級特別公認指導者検定講習会テキスト」、これは丸山先生と私がその講習会での指導を記録したものであります。2枚セットになっています。それからこれ「幼児& 小学1・2年生のためのティーボール教室」、先ほど映したものですけれどこれも2枚セッ卜になっています。つい2週間前、12月の27日ですか、大阪の朝日新聞の山本さんがこれを510本買って、47の都道府県の高野連に10本ずつ収める、のこりの40本は朝日新聞と每日新聞と高野連の本部で管理する、というのでスタートを切りました。そこで、池田社長に直訴しまして、これをベースボール・マガジン社の方から販売して頂くということになっていますが、池田社長、ちょっと気合い入れて売りまくってください。宜しくお願いします。こんな楽しい話が皆様に出来るようになりました。で、この講習会のテキストはですね、皆様方も、地方に戻られた時に是非ご覧になって頂いて皆様方が丸山先生に代わる指導、私に代わる指導をきちんとなさってくだされば、さらに広がりがもっともっと大きな輪になっていくのではないかという風に思っております。
 はい、次4番目、幼児&小学1・2年生のどか点ティーボールゲームの普及に向けてというのをですね、皆様のお手元の資料をご覧ください。これ昨日出来上がりました。昨日です。これは昨年の11月25日にジャクパのグラウンドで近隣の幼稚園児、小学校1・2年生を集めて、大きな大会を初めてやりました。日本で初めてです。私ども、17.8年前から久保寺先生の1塁1点ゲームを参考にしてまたバックホームゲームなんかを参考にしてどんどん点が入るものですから私はドカッと点が入るからどか点ティーボールという風に命名してですね、実は小学校の3・4・5・6年生に授業にも導入しました。2008年から。それをさらに、小学校1年生、幼稚園児でこれがふさわしいものになるのか10数年、研究実践して、これなら絶対いけると自信を持ちましてですね、大会をやったところ大変好評でした。この大会をあえて日本ティーボール協会が主催するのではなくて、埼玉県連盟主催としたのは、47都道府県の皆様方がそれぞれの県で、都で、道、府でこの大会をやって頂く、それを私ども日本協会本部の方で様々な形で応援するという風にしたいと思っています。実際にもうジャイアンツアカデミーで巨人軍のOBなんかが小学校でどか点ゲームをやってくれたりしております。それをさらに低年齢化したものであります。非常に値段の高い、いい紙使いました。それほど力入れて3000部刷りました。これをですね、また関係団体にですね、配布していこうかなという風に思っています。こんなうねりです。

【体育実習授業の充実に向けて】
 それから3番目、小学3・4・5・6年生の体育実習授業のさらなる充実に向けてと書いていましたけれども、皆様のお手元の資料をご覧ください。これです。これも昨日出来上がりました。まあ年末年始、後で話しますけれども丸山充生と私は、2人で5人分くらい仕事をさせて頂きましてですね、もちろん広井先生の貴重なアドバイスもあったんですけ れどもこういう冊子を作りました。最後にあとで講演されます吉永先生に指導案、3・4年生の指導案、5・6年生の指導案を大幅に手直しして頂いて2019年の改訂版という形で、これはいままで10数年非売品として、10何年前でしょうか、当時は27476校、小学校があったのですけれども、そこに文科省から送っていたんですけれども今回あまりにも一般の方からも要望が強いものですから、文科からの流れではなく500円で売るようにしました。500円で儲かる訳じゃないですが、皆様方、今日来られた方は300円くらいで買ってくださったらいいんじゃないかなという風に思います。これはですね指導案が書かれているので小学校の先生は喉から手が出るほど喜ばれるものです。
 というのは、この原案がないとゼロベースから指導案を書くというのは、3時間、5時間かかるのです。これを見ながら書くと、リライトすれぼ30分で出来ます。それほどこれ日本の権威である吉永先生が軸になって指導案をお作りになられましたので参考にして頂ければいいのかなという風に思います。
 また、小学校の3・4・5・6年生のところにですね、埼玉アストライアの皆様のように、ゲストティーチャーとして、そこでティーボール、ベースボール型を教えて頂けたら非常にありがたいなという風に思います。そのうねりを、今日は坂谷内会長お見えですけれども、リトルリーグの指導者の方が、やはり近くの小学校、母校の小学校に指導に、といううねりもありがたいなという風に、OBの方、現役の方、全軟連の方、社会人の方、高野連の方、そういう方も、幼児、小学校1・2年生だけじゃなくて、3・4・5・6年生で、ティーボールが必修授業に入っている訳だから、どうしても小学校でやらなければならない。小学校の先生の助っ人という形で、野球の、ソフトボールの専門家が、ご指導に行って頂くと非常にありがたいなという風に思っております。

【事務局の充実に向けて】
 最後、あと3分ぐらいでしょうか、4番目、事務局のさらなる充実に向けて、というのを行こうかと思います。こういう風に、大きなうねり、流れが来ているものですから、1番、定款、商標権等使用許諾契約書、協定書、覚書等、改正をしなければならない時が来ました。私どもは、法律はまるで素人です。そういう訳で、大学の教員の中でも、非常に才能豊かな丸山先生のご指導を頂いて、その恩師である広井先生、広井先生はソフトボール協会の顧問弁護士でもあられますけれども、素晴らしい方々が、これほど汗をかいて一生懸命やっているんだったら手伝ってやろうじゃないか、ということでですね、今日もお見え頂いております。それが、臨時総会資料にも多く反映されていますので、ご覧頂ければと思います。より、しっかりした、足腰の座ったですね、そういう契約書、定款、協定書、覚書になるだろうと思っております。
 2つ目、富塚さん、24.5年、この協会の大黒柱、事務所の大黒柱だったんですけれども、この3月で退職なされます。55歳定年退職かなんか、テレビで言っているものですから、年齢は言わないでいいかもしれないですけれども、その大黒柱が去るものですから、大きなカバーを、昨年もこの舞台で紹介させてもらったように、宮本さん、角田さん、手賀さんという若い女性が、今一生懸命深く学びをなされています。そこに、小西理事、彼が公益財団法人日本ボディビル協会の事務局長をやられていましたので、協会事務局のアドバイザーという形で来て頂いて、週1回勉強会を行っていると、そのようなことで、事務局というのは連盟をさらに発展させるために極めて重要な心臓部でありますので、そこを充実させていければなという風に思っています。また、全国からいろんなお電話を頂戴しますけれども、何か不都合があった場合は、ビシビシ鍛えて頂ければありがたいかなと思っております。
 今日のセミナーの最後に、総合司会者の一之瀬さんから話がありましたように、臨時総会、これですね、あります。これを行うにあたって、広井先生、丸山先生に大変なご尽力を頂戴しましたけれども、休憩時間等でしっかりと通読して頂いて、より充実した臨時総会を皆様方の力を借りてやらしてもらえるとありがたいなという風に思っています。何せ持ち時間が20分、25分ぐらいしかなかったものですから、私は早口でしゃべるのは好きじゃないんですけれども、私なりに急いでしゃべらせてもらいました。20分でやれました。これで、私からの報告を終わりにさせて頂きたいと思います。ご清聴、どうもありがとうございました。