第27回日本ティーボールセミナー

2020年1月18日(土)開催
東アジアに大きく広がる日本式ティーボール
「学校の実態に応じてベースボール型を取り扱わないこともできる」(日本)これをどう考えるか

◆ 日本野球連盟、高野連、全軟連、プロ野球、ソフトボール協会等との連携、協働の重要性を考える
◆ 小学校や幼稚園、特別支援学校での指導の実践報告から学ぶ


開催要項

➡ 第27回日本ティーボールセミナー実施要項(PDF)

理事長報告・基調講演Ⅰ 吉村 正氏
(早稲田大学名誉教授・中国煙台大学客員教授)

『学校の実態に応じてベースボール型を取り扱わないこともできる』(日本)これをどう考えるか

 皆さんこんにちは。只今紹介いただきました、日本ティーボール協会理事長の吉村正です。宜しくお願い致します。今、総合司会の一之瀬先生から話がありました丸山先生ですが、昨年の12月29日に協会にお見えになりまして「僕の体調がよろしくない場合には、吉村先生、代理をお願いします。」というようなメッセージを受けたものですから、私の方から一之瀬先生にお願いして、今日は一気に報告と、基調講演を兼ねまして35分前後お話しさせていただきたいと思います。何はともあれ、本日は北海道から沖縄まで、47都道府県のほとんどの代表の方に早稲田の国際会議場にお越しいただきまして、大変ありがとうございました。昨日の夕方には、「雪が降って来られない」という連絡もいくつかありましたけれども、本日は大半の方にお越しいただきまして、大変うれしく思っております。今日皆さん方にお渡ししています資料をまずはご覧いただきたいと思います。この第27回日本ティーボールセミナーに関しましては、スポーツ庁と厚生労働省の後援をいただいております。本日は文部科学省官房長の柳孝先生がお見えいただいております。さらに、共催でお願いをしております、公益財団法人日本リトルリーグ野球協会会長である坂谷内実先生もお見えになりました。昨年のこのセミナーでは、見事な基調講演を頂戴致しました。皆さんのお手元の資料にはその内容が記されていると思いますので、もう一度読み直していただけると大変ありがたいなと思っております。それ以外にも今年はですね、プロ野球界、高校野球界、社会人野球界がティーボールは非常に重要だということで、学びをしたいという声が全国からあったわけですから、プロ野球12球団とコミッショナー事務局、計13の団体に連絡をさせていただいたところ、阪神タイガースと横浜ベイスターズの方からお見えいただきました。遠いところからわざわざお越しいただきましてありがとうございました。また、高野連の方からも、北は岩手、宮城、山形から東京、茨城、岡山、宮崎の責任者の方にお越しいただいております。誠にありがとうございました。このセミナーを通してですね、日本全国に、ティーボールがいかに広まって、いかに広げていけるかということを考えていただければと思います。                  

 それでは皆さんお手元の資料をご覧下さい。今日のセミナーのタイトルは「東アジアに大きく広がる日本式ティーボール」そして副題は、「学校の実態に応じてベースボール型を取り扱わないこともできる(日本)これをどう考えるか」ちょっとアンバランスな副題ではありますけれども、少しこれをPRさせていただきたいと思いまして、このようにさせていただきました。このセミナー要項をご覧いただいてわかるように、カラフルなイラストが描かれています。上には野球少年、ソフトボール少女、おばあちゃんが描かれていまして、下には野球、ソフトボールが好きだという車いすの方々、そして真ん中には小学校の体育着でティーボールを楽しんでいる子ども達、また、幼児が柔らかいボールと柔らかいバットを使ってティーボールを楽しんでいる様子が描かれています。ボールを打つこと、捕ることは楽しいんだぞというメッセージです。これは川崎のぼる先生、「巨人の星」を描かれた先生です。これを見て分かるように、我々が作り上げてきました日本式ティーボールは「国民皆ベースボール」です。国民全ての方に野球型のゲームをやってもらいたいという願いのもとに、これらのイラストを寄与していただいているわけであります。このあと徐相玉先生、陳兆麗先生にも基調講演をしていただきますが、韓国と中国は現在、日本に負けないほどのすごい勢いで広がりを見せています。野球やソフトボールの文化の無いところでは、ティーボールが本当に有効であるということを、韓国と中国で示して下さっています。その辺を楽しくお聞きいただければありがたいと思っています。2つのフリーディスカッションⅠ・Ⅱではですね、最初は「日本野球連盟、高野連、全軟連、プロ野球、ソフトボール協会等との連携、協働の重要性を考える」というテーマでして、皆さん考えていただいているからこそ今日、先ほど紹介させていただいた方々がお越しいただいていると理解しております。そして2つ目のフリーディスカッションⅡはですね、「小学校や幼稚園、特別支援学校での指導の実践報告から学ぶ」ご存じのようにこのティーボールは、30年前に、止まっているボールを手やバットで打つゲームとして選択必修科目として入りました。20年前に、3、4、5、6年生の必修科目となりました。そして10年前に、5、6年生の必修科目にソフトボールと共に入りました。今回はですね、今日の一番のテーマでありますけれども、必修には入ったけれども、学校に応じてはやらなくてもいいという1行が入ってしまいました。その辺のところを後ほどご説明したいと考えております。

【日本での順調な広がり】

 それでは基調講演も兼ねなければなりませんので、皆さん方にお渡しした資料を説明しながら、日本での順調な広がりを理解していただければありがたいと思っております。まず、年末年始に作り上げた資料を紹介致します。「ティーボール入門」が皆さん方のお手元に2冊渡っていると思います。これは3日前に完成致しました。毎年ですね、6千部刷っています。27年前は2万部刷ったのですが、ここ10数年は6千部刷っていまして、これが普及の源になっております。皆さん方のお名前も頂戴しておりますし、学校教育の中でティーボールをどのように指導するかも入っているぞと。大会を開く際にはこうしたらいいぞというメッセージがこれに入っております。ご理解ください。2つ目の資料がこれです。ピンクのカバーです。2019年第2回関東幼児&小学1年生どか点ティーボール大会。ご存じのように、この日本式ティーボールは、45年前から、学校教育に入れるための努力を皆さん方とさせていただきました。そして今、必修に入っているということでありますけれども、十数年前からは3・4・5・6年でティーボールは必修になったので、これからは幼児と小学校1・2年生ですよね、普及させるのは、ということで、実践と研究をして参りました。そこで、プレーの仕方、これはもう様々です。何百種類、何千種類とあります。子ども達の笑顔をどのように引き出すかという事は皆さん方とは徹底して学習してきたし、これからもしなければいけない。そして何よりもゲームを作り上げた。幼児と小学校1・2年生のゲームを創り上げた。それが、幼児・小学1,2年生用どか点ティーボールです。実は20年前に3,4年生のためにどか点ティーボールを創ったのですけれども、それは普通のベースを踏みながらどか点ティーボールをやりますけれども、これはですね、幼児が塁間5m、年長ですけれども。小学校1年生になると塁間は約10mになります。で、内野ライン外野ライン今までは直線ラインを引いていたのですけれども4分の1円を描いてしまう。4分の1円をどうして描くかというと本塁と2塁を結ぶラインと1塁と3塁を結ぶラインの交点を基点として1塁ベースの1m後ろから4分の1円を描く。これを内野ライン。子どもはとにかく走るのが好きです。おもいっきりそこの外を走ります。で、その2m後ろにまた4分の1円。外野ラインです。それが幼児です。小学校1年生の場合は10メーターとして2m、8m。ここに書かれています。是非それを参考にしてですね、それぞれの地域で楽しく投げる、捕る、打つ、走るを基本としたティーボール大会を皆様方運営していって頂ければありがたいと思っております。そのモデルとなる大会をやらせて頂きました。その冊子です。次、第21回関東健康福祉ティーボールオープン大会ミアヘルサ青木杯争奪第8回健康福祉ふれあいティーボール大会の冊子です。これはですね、70、80、90歳の人は特に野球好きだと。車椅子でもボールを打つのは楽しいという人にまた野球に戻ってもらう。それが健康福祉です。なおかつ、特別支援学校の子ども達に来て頂く。加えて、特例子会社の人たちにも来て頂く。そしてそこには子ども達、元気な小学生3年生2年生の子ども達がプレーしている。おじいちゃんおばあちゃんも孫も特別支援学校の子も様々な障害があったとしても皆がそういう空間で楽しいベースボールをやってもらうという大会です。非常に注目されています。それを11月の9日に終えました。

 その次の資料、笑顔いっぱいティーボールの左上の赤版。これはですね、小学校学習指導要領2017年3、4、5、6年生対象。吉永先生と私が中心になってつくりあげてきたのですけれども、この10月20日ですね、カラーの漫画入りのものに切り替えました。このイラストは川崎のぼる先生に描いて頂きました。子ども達が喜ぶようなカラーの絵を描くことによって子ども達に野球って楽しいよ、ソフトボールっていいよ、ティーボールって特にまた素晴らしいねというのを味わってもらおうと思って川崎先生にお願いして描いて頂きました。最新版です。必要な場合は事務局のほうにご連絡頂ければ皆さんのもとに8掛けでお届けしようと思っております。もう1つ青のものがあります。これは去年の1月20日に作りあげたものです。内容はほぼ同じです。表紙のイラストを川崎先生に描き換えて頂いたということです。次の資料に。第4回ティーボール教室in東京ドーム。これは日本野球連盟、社会人野球連盟の皆様方と共同でやらせてもらっている大きなイベントです。秋は京セラドームでやって頂きました。今日は柴田さん、ジャイアンツアカデミーで指導された方がお見えですけれども、元プロ野球選手です。京セラドームで丸山先生の代理としてご指導頂きました。日本野球連盟とはこういうコラボで色々活動させてもらっています。京セラドームのパンフレットはお持ちしていません。東京ドームのだけお持ち致しました。去年の夏頃には、昨年のセミナーの原稿起こしを終えて第26回日本ティーボールセミナーの冊子もつくりあげました。左上に今日ご挨拶頂きます池田ベースボール・マガジン社代表取締役社長の見事なご挨拶、それからその下には先程紹介させて頂いた坂谷内会長のスピーチ、右側には今日は来られなかったけれども丸山先生の見事な話が昨年はありましたのでこれをまた読み返しながらですね、どういう様な流れになっているのかご理解頂ければ大変ありがたいと思っております。そして皆様方には次はこの資料、これは皆様方と共に全国大会をやらせて頂いています。本当の冊子はこんなに重たいです。あまりにも重たいので皆様方にはお渡ししませんでした。文部科学大臣杯争奪第22回全国小学生3年生ティーボール選手権大会。これに昨年は柴山昌彦文部科学大臣がお見え頂いて、文部科学省の偉い役員の方々も3、4名一緒にお越し頂きました。もちろん亀岡先生、当時は文部科学省の文科常務委員長でしたでしょうか。お見え頂きました。皆様方のお力で大きなうねりがきているということをご理解頂ければありがたいと思っております。この場をお借りして、皆様方に感謝申し上げたいと思います。以上の資料を皆様方にお配り致しました。それが資料の説明と日本での順調な広がりがあるぞということを説明させて頂きました。

【ティーボールが再び必修に】

 それでは、今日のセミナーのタイトルであります、日本式ティーボールが小学校の必修授業に再び採用されたことについて説明したいと思います。クリアファイルの3枚のA3のコピーをご覧下さい。1枚目、先程紹介しましたセミナーの実施要項であります。くどいようでありますけれども、3年4年5年6年生でティーボールは必修になっていますよというメッセージです。今年の4月から10年間それが続きます。そこには、皆様方が小学校に行って、ゲストティーチャーとして指導を行って欲しいというのが今日の一番のお願いです。そういうお願いをする前の27年前の原稿を今日はあえてコピーしてきました。裏面をご覧下さい。1993年11月22日、日本ティーボール協会創設。この会場の上にある第一会議室で海部俊樹先生をお招きして、会長。私が筆頭副会長になって、神様、仏様、稲尾様と呼ばれた稲尾和久さんも副会長に。そして末次さんが専務理事。隣に谷沢健一さん、名球会に入会された方、このグラウンドで汗をかかれた名プレーヤーが常務理事。その隣が佐藤文宏先生、現在の専務理事。反対の方では伊藤久雄先生、東京医大の学長等がここにお越し頂いて、これから学校教育に入れるティーボールをつくるぞ、もうつくったぞ、つくったからこれを普及させていくぞということでスタートを切りました。1994年ベースボールクリニックに書かせて頂いた記事がこれです。ちょうどこの記者発表会の前列に、池田社長が当時編集長重役として取材にお越し頂いたのはついこの間のように記憶しております。ありがとうございました。それが27年前です。野球が危ない。27年前のこの記事の小見出しにありますけれども。その次の小見出しが、野球ができない先生や児童たち。27年前ですよ。その頃からできなかったんですよ。で、野球経験者の先生が授業で野球やソフトボールを教えない。野球型のゲームを教えるのは難しい。バットを振ると。危険であるから難しい。そうすると、野球経験のある人でも、ボール1個渡したらよい、バスケットボールとかサッカーを教えるほうが楽なんだ。ゲームをやらしたら楽なんだ。皆が均等な運動量を確保できる。体育らしい授業になる。昭和52年、なぜ学校教育から戦前戦中戦後とずっと入っていたソフトボールが無くなったのかというと、ソフトボールはピッチャーとキャッチャーとバッターだけのボールゲームであって、それ以外の人は多く動いていないじゃないか、これは体育としてふさわしくない、というのが当時の文部省の考え方であったんです。で、私はもうその時早稲田の教員であったので、そんなことはないだろうと32歳の時思ったのですが、32歳の若造には発言力はありません。ですからこういうティーボールをつくる方向で頑張ってきたと。これを、ティーボールを小学校の正課体育にしたいぜというので、最後の黄色の箇所をお読み致します。ご覧下さい。「海部俊樹会長は、2度文部大臣も経験されている。」もちろん総理大臣も経験された後です。「日本ティーボール協会の役員一同は、このティーボールを小学校の1、2年生か、3、4年生のボール運動のところで選択必修科目に入れるよう努力していきたいと考えている。それが間違いなく、野球ブーム復活へのキーとなると確信するからである。」これが27年前の私共の考え方でありました。

 そして次の資料、左上にティーボールは小学校の必修授業に再び採用。再びというのは10年前にも必修に採用されたわけです。左枠に入っているのが3、4年生です。ちょっと読みますね。「ベースボール型ゲームではその行い方を知るとともにボールを蹴ったり」これはキックベースですね、打ったりする攻めや、捕ったり投げたりする守りなどの基本的なボール操作と、ボールの軌道方向に移動したり、全力で走塁したりするなどのボールを持たない時の動きによって、攻守を交代する易しいゲームをする。皆さん方が3、4年生に指導に行かれた場合、これを頭の中に入れておいていただきたい。例示として、攻める側がボールを蹴って行う易しいゲーム。これはキックベースです。皆さん方はやられなくてもいい。私は担当の人に言っているのですけれども、キックベースはもういいよって。サッカーがこれだけ普及しているのに、どうしてベースボール型で足を使うの、というまた10年間これが載ることになりました。その後、「手や道具などを使って打ったり、静止したボールを打ったりして行う易しいゲーム。」これはまさにティーボールです。ティーボールという固有名詞は使われておりませんけれども、3、4年生はそういう固有名詞を使わないというのが習慣のようであります。ボールをフェアグラウンド内に蹴ったり打ったりすること。投げる手と反対の足を一歩前に踏み出してボールを投げること。向かってくるボールの正面に移動すること。ベースに向かって全力で走り、駆け抜けること。これを教えて下さいよということです。そして今年から新しい指導要領から変わったのは、運動が苦手な児童への配慮の例というのがあって、軽いボールを使ってくださいねというのがあります。そして軽いバットを使ってくださいねと。これは国民皆ベースボールを謳っている我々は絶対的にと言っていいほど良いこと。運動の苦手な方へ目線を当ててご指導をしていただきたいと願っております。文科省の方もこれはとても大事なことだということで、きちんとした形でお書きいただきました。感謝ばかりです。下が、第5学年、第6学年、ウ、ベースボール型です。これは例示のところをご覧いただいて分かりますように、ソフトボールを基に簡易化されたゲームと、ティーボールを基に簡易化されたゲームとあります。後そこでどういう風に教えたらいいかということです。これが将来軟式野球に行く、硬式野球に行く、ソフトボールに行くということになるのです。今のソフトボールはですね、ボールが硬すぎるんです。硬式野球のボールを大きくしたのがソフトボールなんです。何のソフト軟らかいボールでもないんです。でもそうしないと、ホームランとかヒットを打てなかったのです。私にも大きな責任があるんです。だから小学校でソフトボールをやられなくなってしまった。私も、競技スポーツ、競技ソフトボールの方でずっと監督やら指導者の立場にありましたから、0対0のゲームがあるからタイブレークだとか、1対0のゲームがあるからなんだかんだとか、ボールを硬くして飛ぶようにしてやれ、飛ぶボールを作ってやれ、飛ばすバットを作ってやれとして、4対3のゲームをできるようにしなければ試合を見ていても面白くないと言って、ボールを硬くして、4万5千円もするような飛ばすバットを開発したわけなんです。そのために小学校などで確実に危険度を増したベースボール型がやられなくなってしまったという反省のもとで日本式ティーボールがあるということを皆さんに理解していただきたい。

【日本式ティーボールを世界に】

 そして資料の右側、「はじめに」これはですね、先ほどお見せしました、笑顔いっぱいティーボールのところの前書きであります。海部俊樹先生と私が一緒になって書きました。中ほど、わが国においては、1977年(昭和52年)に小・中学校および高等学校からソフトボールが学習指導要領から外されたのを機会に創設された、大学スローピッチソフトボール研究会(会長 吉村正)が中心となって、1993年11月、日本ティーボール協会を発足させました。これが「すべての人にベースボール型球技を」を合言葉に、笑顔が出る日本式ティーボールのゲームを作り上げました、という流れであります。裏の資料をご覧ください。今まで話しました一連のことが、1975年4月から今日までのめぼしいことが年表としてずらっと書いてあります。1995年11月のところをご覧ください。4カ国語のティーボール・ルールブックを発行しました。これは日本だけで留めておくのはもったいないということでバイリンガルの例えば韓国ですと、我々の仲間の水上清さんの義理のお兄さんが確か高麗大学の学長だったので、当時日本にはハングルのタイプライターがなかったのですよ。だから韓国に日本のルールを持っていって、そこでハングルで打ってもらって、日本に持ち帰ってきてこれに反映するということをやりました。同じような仕事をやりました。中国でもそうです。劉 信平というゼミ生が台湾からの留学生だったので見事な中国語に訳してくれました。あとは英語。それで4カ国語のルールブックを作ったのです。それから韓国への寄付をしようぜ。中国にも台湾にもしようぜと。その流れで、今日、徐先生、陳先生の話が後であると思います。

【SG付きバット使用を義務付け】

 日本に戻りますけれども、10年単位で指導要領改定がありますので、このような感じで学校教育の中に入り続けていました。昨年おかげさまでS Gのバットを製品安全協会らと協力して作りました。今まで25年間我々努力してきてこういうバットを作り上げてきたのですけれども、劣化が激しいです。グリップが取れる、テープが取れる。そこでS Gのバットを作ろうということで3・4年、実験等やっていただいて、ようやくS Gが取れまして、ここにあるバット、S、M、Lが出来上がりました。1年間どんどん使ってもらったら、多少ですね、先っぽが取れたりするので、また改良させました。より立派なものになっています。これからはですね、すべての小学校でS Gのついた用具を使ってもらうよう、今日は柳先生もいらっしゃいますので文科に陳情に行こうかなと思っていますので、その節はよろしくお願い致します。亀岡先生が活躍されていますので、お願いに行こうかななんて思っておりますのでその時はご出席よろしくお願いします。S Gができて、こういう劣化したバットを使って事故を起こした場合、スポーツ法律学争うと負けます。ですからS Gのバットを使わなければいけないと考えております。

【今後の普及活動に向けて】

 最後のプリントですけれども、これが本物です。小学校学習指導要領解説①。これのコピーをしてまいりました。141ページ。ここの7行目のところです。なお、学校の実態に応じてウは取り扱わないことができることを「内容の取扱い」で示した。これは怖いです。この1行があることによって、私は小学校の先生ではないですけれども、小学校の先生はウのベースボール型はやらんでもいいよねと思う人が確実に出てくる。そう思いませんか。じゃあ、アとイはゴール型とネット型だから、ゴール型に書いてあるように今はラグビーブームだから、バスケットボール、サッカー、ハンドボール、タブラグビー、フラッグフット、これはアメフトのことです、こっちの方をやっとこうかということになります。次ネット型、今まで10年間はソフトバレーとプレルボールだったのですけれども、この4月からバドミントンとテニスを基にした簡易化されたゲームというのが入りました。じゃあそれやっとこうかということになります。ということは、ベースボール型はもういいよねという風になります。だから冒頭皆さん方に申し上げましたように、皆さん方が資格をここでしっかり取っていただいて、その資格証明カードを見せて地元の教育委員会に人材バンクというのがありますから、私東村山市の教育委員を18年間やりました。教育長職務代理も。2年前に終わったのですけれども、人材バンクがあります。ベースボール型だったら私が教えられます。と登録してほしい。校長先生や小学校の先生に私が教えられます。皆さん方で、あっ、良い方が登録してくださったとなれば教育委員会なり、校長先生なりから是非ベースボール型授業のときは指導にお願いします。という風にこのうねりを作っていきたい。で、高野連に2年ほど前に副会長の毎日新聞、朝日新聞の偉いさん、高橋さん、井上さんにアドバイスさせてもらったのは、高校生ってすごいのですよ。高校生を母校の小学校に指導に行かれたらいいじゃないですか。大学の女子のソフトボールの選手は行っていますよと。そして、小学校の先生の手助けをしてあげたらいいじゃないですか、ということを高野連でそのうねりをつくってくださいと。大きく広く活動されようとしています。今年度は9千万の予算を出したと言っていましたかな。社会人野球の方はですね、200のチーム、トヨタとか日産とかすごいチームありますよね。その選手たちの子供が幼稚園、こども園、保育園などに行っていますので、そこに行って、同じ目線まで下がって、投げる、捕る、打つ、走る時のコツを教えたらいいよねということで。こういう柔らかい用具、幼児用の柔らかいバットとボールを我々は作り上げたのです。そういうわけで文科省からのメッセージがこのようにきておりますので、皆さん方の方から学習指導要領の方ではこうなっていますから、私にはこういう才能がありますから、ぜひ、学校貢献、地域貢献させてくださいよと言っていただいてですね、我々が愛する野球やソフトボールを皆さんの力によってより広めていっていただけたら大変嬉しいかなという風に思っております。これで丸山克俊先生の代理である私からの「日本での順調な広がり」というタイトルの話を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

■副会長挨拶 池田 哲雄氏 

(ベースボール・マガジン社代表取締役社長)

 皆さんこんにちは。ご紹介に預かりました池田です。今、吉村先生のお話を聞かせていただきまして、大変勉強になりました。27年前、私もここに来ていたのですが、野球が危ないということで、何とかこのソフトボール・野球型のボールゲームを普及させようということで、吉村先生が本当に、お手本になって、今日ここまで、第27回という形でセミナーを開催することができたことを、本当に嬉しく思います。本当に野球が危ないという危機感から始まったのですが、まだ色々な面で野球・ソフトボールに課題があるのでしょうけれども、今年は東京五輪が開催されます。ですから、本当に、スポーツの年ということが言えるわけだと思うのですけれども、ソフトボール・野球が久々に五輪に復活するということで、これで何とかいい結果を残して、将来、次はパリでオリンピックをやりますが、その次のロサンゼルスくらいでまた復活できるということを、我々本当に楽しみにしています。そんな中、最近は女性の指導者がずいぶん育ってきました。例えばですね、指導者ではないのですけれども、ゴルフを題材として出すのならば、渋野日向子さんというプロゴルファーが今、本当に、人気を博していますけれども、この人はソフトボールをやっていたわけですね。それで2008年限りでソフトボール・野球が五輪から消えたわけですね、その時にソフトボールを辞めて、ゴルフに転向したそうです。そして、東京五輪が開催されるということで、ゴルフの選手として五輪に出ようと、そして、ソフトボールの上野さんと一緒の五輪に出たい。こういうモチベーションで頑張ってきたそうです。その話を聞いて、私も感動したんですけれども、最近見ていますと、アメリカ大リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツで女性のコーチが誕生したと、この人はソフトボール出身なんですけれども、試合中にはベンチに入りませんけれども、試合の前に打撃コーチを務めるんですね。このサンフランシスコ・ジャイアンツの監督、ゲーブ・キャプラーという、昔、2000年の最初くらいに、巨人でプレーしたことがある人が監督をやっているんですけれども、彼女は、ここでコーチをやると。そして、ニューヨークヤンキースではマイナーで、フルタイムでコーチに女性の方が指導者として就かれています。ですから、こういう部分見てみますと、すごく男女問わずソフトボールで活躍されていた方が、ソフトボールのみならず、硬式野球の世界まで進出しているわけですから、本当に色々な方が男女問わず、色々なそういったボールゲームの中で、硬式野球だろうと、指導の場が与えられてくると思います。ですから、本当に皆さんも、ティーボールを一生懸命教えると同時に、そして、女性の方のソフトボールやられている方も将来、いわゆる野球の指導者というか、幅広い選択肢が出てきたのではないかなと思っています。これも本当に吉村理事長が始められた、ティーボール、ソフトボール・野球型のボールゲームが基礎になっているわけですから、ここから本当に色々な人材が世界に羽ばたき、中国・韓国でティーボール盛んになっているわけですが、これからさらに、ますますティーボールで基礎を固めて、野球・ソフトボール型のボールゲームの普及に努めていただきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。