11月1日「高齢者・シニア・マクレ―の大会」が必要です。その大会の応援に親子三代が集います。

 日本シリーズが終わると野球の記事は極端に少なくなります。今日・昨日の新聞で目だって多いと感じたのは、高齢者向けの記事や週刊誌の見出しです。

 朝日新聞の広告欄では、キクチ体操、菊池和子さん(88歳)「すぐやります。もむのではなく、ねじる・押す 血液&リンパを流して肩こり改善」。五木寛之90歳になった「生き方の先輩」が贈る、楽しむための一冊。「人生百年時代の歩き方」。和田秀樹流 老けない ボケない うつにならない 60歳から脳を整える。週刊現代の広告は「70歳から始める、80歳でも間に合う絶対ボケない夫婦の心得108」。「家計にやさしいシニアの保険」。高齢者を対象とした記事・広告、まだまだありました。

 高齢者の記事がこんなに多いとは、野球があるときは全く気が付きませんでした。

 日刊スポーツの「ニッカンシニア第96号」では、高齢者の【健康法】が特集。6人の高齢者が紹介され、90歳の方は「娘と声磨きを」。88歳の方は「100歳まで水墨画」。もう一人の88歳の方は「100歳まで100メートル走を」。84歳の方は「90歳まで現役を」。75歳の方は「吹き矢歴14年」。73歳の方は「数独にソフト」。とありました。それぞれご自分で健康法を考え、それを実行されています。参考になり、素晴らしいです。

 上記6人中なんと3人が現役のソフトボール選手。88歳の方は「冬は毎日雪の中を10キロ歩き、夏はソフトボール、ゴルフとトマトを出荷しています」。84歳の方は【目標】90歳ぐらいまでは、ソフトボールと、今の仕事を続けます。73歳の方も【目標】生涯現役でソフトボールに参加し、仲間との交流を大切にしたい。と。良いですね。

 この世代はやっぱり趣味はというと野球です。野球を見て楽しみ、スポーツ新聞を読んで楽しみ、そして、自分がプレーするのは、野球ではなく、ソフトボール。これは日本もアメリカも同じです。80歳、90歳の方は、川上さん、大下さん、藤村さんに注目した時代。70代は、王さん、長嶋さん、村山さん、稲尾さんでしょう。これらの大スターを夢見て、また応援して、生活され、日本を牽引されてきたのです。

 今週5日に開催する「健康福祉」の大会には、70歳、80歳、90歳代の方々が、ソフトボールの早慶戦を観戦されます。ソフトボールを観て楽しんでもらいます。そこで、昔野球・ソフトボールをプレーした方々には、バッティングティーの上に置いたボールを打って頂きます。80代、90代の方々には、川上さん、大下さん、藤村さんになったつもりで。その守備は、早稲田大学ソフトボール女子部員が努めます。試合形式の時は、打者のすぐ横に代走者を置き、打者が打ったら打者は走らず、その代走者が一塁へ走ります。爽やかないい景色が見られます。

 ところで「ニッカンシニア」の特集、アイディアは素晴らしいですが、この「シニア」という響きはあまり好きではありません。今から22年前の2000年「60歳以上のソフトボール連盟」を日本で創設した時、その名称を「全日本シニアスローピッチ・ソフトボール協会」としました。私は初代会長。会長を4年間務め、2004年に退くまで「シニア」をやめて「マクレー」にしませんかと提案。「マクレ―」はハワイ語で「お年寄り」という意味だからです。「マクレ―」は、何か「頑張れー」、「まくれー」という風に聞こえませんか? 元気が出ます。

 1969年から1971年、私が留学していた当時のハワイでは、多くのグラウンドで、お年寄りのソフトボール大会が開催されていました。そのリーグの名前が「マクレ―大会」。60歳以上、65歳以上、70歳以上、75歳以上等年齢を分けて大会が用意されていたのです。そこで勝ち上がったチームに対しては、その年代毎に、50州から集まる「ワールドシリーズ」へ。その大会には300から500チームが集います。それはそれは壮大な大会でした。選手・家族・応援団・後援者等数えきれないほど集まるのです。ホテルの確保が難しいときは、年代別で日にちをずらして開催したり、ホテルが沢山あるラスベガスで大会が行われることもありました。

 今、この野球人口が減少の時代、助けてくれるのは、この「お年寄り・マクレ―」の人たちだと私は思います。彼らは野球の楽しみ方を知っています。時間があります。余裕があります。野球(ソフトボール)をプレーするのを生きがいと感じています。健康を保ちたいと思っています。この方々の力を借りて、野球の復活を図るのです。彼らは、大変な戦力になります。この時期、彼らの対しての戦力外通告はありません。皆が笑顔です。

 そうです。そこで今我々が真剣に考えなければならないのは、「お年寄り(マクレ―)のティーボール大会」です。これを普及させると、そこには働き盛りの「子ども」世代の方々がされげなく応援に来ます。その子、即ち選手にとっては「孫」がグラウンドに来ます。おじいちゃんの活躍で親子三代で野球談議。このうねりを作る。ちょうどそれは、全国小学生ティーボール選手権大会に、子どもが出場、その子ども、孫の活躍を見に来る保護者、その反対のパターンです。

 その試みが、今週末開催する「健康福祉」のイベントです。楽しいものにしたいですね。終了後、参加した方々に感想を書いて頂き、その感想文をいくつか、この「理事長からのメッセージ」で披露したいと思っています。ご期待ください!