3月27日 「二番ライト、近藤健介ー」ヌートバー選手と大谷選手との間、最高の2番打者でした。大嶋匠君と同期です。
「二番ライト、近藤健介ー」。良い仕事をしました。ヌートバー選手と大谷選手の間で、ある時は繋ぎの役割、ある時はポイントゲッター、テレビでは打撃の「天才」として紹介されていました。選球眼がよく、動くボールが来てもジャストミート、賢い打者です。本当に最適の2番打者でした。
この近藤選手、私が初めて認識したのは、忘れもしない2011年10月27日のドラフト会議の日でした。日本ハムファイターズ(以下日ハム)がドラフト4位で指名したのです。その時のコールが「捕手、横浜高校」でした。その前日、私は、日ハムのスカウトから、「投手はドラフトでは2名、3名と数多く指名しますが、捕手や野手は複数人は指名できません」という電話を受けていました。
このドラフトで、早稲田大学ソフトボール部出身の捕手大嶋選手が、ドラフトにかかるかどうか、部の関係者は皆ドキドキしていたのです。私は、私の研究室いる同学年の学生に、上記「捕手は複数指名出来ない」という話をしていました。従って、日ハムが1位指名に、現在読売で大活躍の菅野投手を指名すると「オー」と歓声が沸きました。2巡目も3巡目も捕手以外の選手。研究室では「ぼちぼち大嶋来るぞー」という声。そこで、第4番目に来たのが「近藤選手、横浜高校」でした。私の研究室には10数名いたのですが、声が出ないほど静かになりました。「近藤って、誰だー」という声。「大嶋はないのか?」。
「大嶋匠、早稲田大学ソフトボール部」、第7位で来ました。指名後すぐ、日ハムの担当者から私の携帯に電話があり、彼曰く「今、この会場内は騒然としています。ソフトボールの選手が、ドラフトにかかるなんて、信じられない、記者会見で説明してくれないか」というもの。その時、大嶋君は、ジャージでネットでこのドラフト会議の行方を同級生と、観ていました。記者会見となると、ネクタイ正装でなければなりません。彼が、下宿に帰って着替える時間、品川にいる野球記者が所沢に来るまでの時間等を考えて、夜9時に記者会見スタートとしました。その会見の記者の数はとても多かったです。
この時は、ドラフト7位の大嶋選手が主役、近藤選手はドラフト4位で準主役、将来を嘱望された若者、ワン・オブ・ゼン(多くに中の一人)といった感じでした。この時はまだ多くの野球関係者は今の大スター近藤健介選手を予測できていませんでした。日ハムに入って、コツコツと自分の才能を開花させていきました。努力家でした。
私が、最も注目したのは、大谷選手が日ハムに入って、メジャーリーグを目指している時、大谷選手曰く「この近藤選手は、ミート力、打撃のセンスは、素晴らしいものがある」と。この時から、私は、彼のバッティングに注目するようになりました。見れば見るほど良いのです。素晴らしい。そのミート力、適応力、集中力、バッティングアイ、どれをとっても超一流、最高レベルでした。
捕手から始まって、2014年小谷野選手の故障で三塁手に抜擢、卒なくこなし、センスが良いのです。3年後の2017年からは二塁手にも挑戦、その2年後に外野手へコンバート。どのポジションにおいても、堅実な守備を披露し、その上で、バッティング技術も磨いていったのです。毎年、毎年進化されていたのです。私は、大嶋選手が日ハムに在籍していた時、スポーツ新聞の最初に観るのが、日ハムの二軍戦、その後一軍の記事。そのような訳で、この近藤選手の成長ぶりは、大嶋選手のお陰で、興味深く見守っていました。
ヌートバー選手が打った後、犠牲バントなんて在り得ません。それはその後の大谷選手が「ウオーク・敬遠」されるからです。無死で回ってきたとき二塁打も同様です。その後の打者、大谷選手が「敬遠」されるからです。やるべき打撃は限られます。そこでの高打率、出塁率の高さ、頭が下がります。バッティング技術が高いだけではありません。極めて頭脳明晰。試合の流れが読める選手なのです。さすがは、捕手出身、横浜高校出身、試合の流れや投手の癖、捕手の特徴、その全てを観るセンスが養われています。
私は、野球やソフトボール、更には人生においても「たら、れば」は好きではありません。でも、もし鈴木誠也選手が、怪我で出場を辞退していなかったら、この大活躍した近藤選手、ヌートバー選手、吉田選手の外野手の起用法はどのようになっていたのか?「たら、れば」も時と場合によっては、考えてみるのも悪くはないですね。
昨年、日ハムからソフトバンクホークスへ移籍、年俸は2憶5千万と聞いています。ヌートバー選手の2倍半ですか。今年のソフトバンクホークスは、柳田選手、栗原選手、上林選手、それにWBCに出場した牧原選手、周東選手、物凄い選手が揃っています。近藤選手はユーティリティ選手、どこを守るのですかね。あの大谷選手が絶賛した打撃センスは今もって変わりません。九州での活躍が楽しみです。
九州、西鉄ライオンズの大ファンであった私からのメッセージです。あの天才打者、大下弘選手のような打撃を見せてください。あるいは、怪童中西太選手のような豪快な打撃でもいいですね。
そうです。何でもできるのが近藤健介選手だとこの度のWBCで再確認しました。シーズンでのご活躍が楽しみです。