12月27日「全国高校駅伝を見て、地図を見ることなく、昔の記憶のみで、故郷京都を案内します。」

 25日(日)年末の風物詩。全国高校駅伝が京都市内で開催。高校生ランナーが都大路を駆け抜けました。大会は男子が73回、女子が34回目。出発点もゴールも「たけびしスタジアム」。以前は「西京極陸上競技場」といったところです。私も中学時代に、野球部なのに陸上部に駆り出され「全国中学放送陸上」において、走り幅跳びに出場したところです。以前「理事長からのメッセージ」でも書きました。その競技場は、最近まで「わかさスタジアム」(わかさ生活は4チームの女子プロ野球を所有)として有名でした。

 大会は、男子は岡山県代表倉敷高校が、2時間1分10秒の大会新記録、女子は長野県代表長野東高校が1時間7分37秒でそれぞれ優勝しました。男子の2位は佐久長聖高校(長野)、3位は八千代松陰高校(千葉)。女子の2位は仙台育英高校(宮城)、3位は神村学園高校(鹿児島)でした。健脚揃いの見ごたえのある大会でした。参加校の選手の何人かは、将来、大学駅伝に出場するでしょう。成長が楽しみです。伊勢、出雲、箱根で、また君たちの健脚を見たいです。

 私は20年近く前、この時期に京都の実家に帰り、高校生が都大路を走るこの大会を長兄と見ました。当時を思い出し、それを書きます。

 出発点は母校の「正親小学校」。この「正親」という名は「正親町(おおぎまち)天皇」から頂いたもの。正親校は「浄福寺通中立売下ル」に位置します。その正門から真っ直ぐの道は、仁和寺街道、それは文字通り「仁和寺」に通じる道です。仁和寺までは確か40・50分ほどで行けます。正親校を出て3分ほど歩くと、千本通り。この千本というは「義経千本桜」で有名な「千本」です。千本通りから1分歩くと昔、遊郭があった「五番町」。水上勉の「五番町夕霧桜」でも有名です。そこを横切り2、3分歩くと「仁和小学校」。小西評議員の出身校です。そこから5分ほど歩くと「北野天満宮」に着きます。菅原道真、学問の神様です。「成績が上がりますように!」。お参りして、その横が平野神社。桜がきれいな神社です。そこを抜けると、ようやく西大路通り、この道を高校生ランナーが走ります。

 長兄と一緒に西大路通りに着いたのはランナーが来るかなり前。早く来過ぎたので、久しぶりで「金閣寺」へ参拝に行くことにしました。平野神社の筋向いは「わら天神」。そこは、安産の神様です。母と一緒に安産を祈願した神社です。その裏(横)が「立命館大学」。60、70年前はプロ野球が使用した「衣笠球場」があったところ。そこを通らず、「金閣寺」へ最短距離で進みました。

 自宅から「金閣寺」迄、歩いて40分くらい。金閣寺境内は狭いです。折角来たのでゆっくり参拝。そして、高校生ランナー来る時間に合わせて西大路通りへ。隣の「龍安寺」や「仁和寺」へは、時間の関係で行きませんでした。「金閣寺」から2,3分で高校生ランナーが走る西大路通り北大路角へ。この角地が選手を応援するのに一番良い場所だということ。地元の人はそれをよく知ってか、観衆が多かったです。その角地は、西大路通りを北に登ってくる選手を正面から、その角を曲がって東へと向かうランナーの背中を見ることが出来ます。選手間のデッドヒートも見られる、最高の場所でした。

 確か、近くに「船岡公園」があったはず。「正親小学校」の3・4年生の担任の先生のご自宅が、確かこの辺。67年前の記憶です。

 長兄はこの高校駅伝を良く知っています。なぜなら、私達の父は栃木県真岡中学(現在に真岡高校)出身、京都の自宅が「栃木県人会事務所」を兼ねていました。その父が健在の時、兄・姉・弟は「栃木県京都県人会」ののぼりをもって、真岡高校の応援をしたのでした。

 高校生ランナーがこの角を全員過ぎ去ると、帰りは、来た道と異なる道を通ろう、ということになり、北大路通りを東へ、左手に「今宮神宮」。京都の西陣の「お祭り」は、この神社の祭りです、「祇園祭」ではありません。ここで「みたらし団子」を頂くのが、小学生の頃の大きな楽しみでした。今でも境内の近くに、そんなお店はあるかなと思い通過でした。

 千本北大路を右折して、真っ直ぐ自宅に向かうか、それとも真っ直ぐ「知恵光院通り」迄歩いて、小学生の頃、毎日のようにソフトボールを遊んだ「たちばな公園」を横切って行こうか迷いました。でも、千本通りには、食堂が沢山あります。クラスの同級生がやっていた店は、多分、息子か、娘か娘婿かが後を継いでいるはず。どの店に行くか、またまた迷い、結果は「天ぷら屋」で食事したような記憶があります。

 25日の全国高校駅伝、快走した選手、京都の寒さでコンディショニングが悪かった選手、様々です。

 出発点から北大路までは緩やかな登り。反対に北大路通りから帰りの烏丸通りは下り。どのコースであってもいい景色だったでしょう。それがわが故郷京都です。どの区間であっても、高校生ランナーが、京都の良さを堪能、満喫して、走ってくれれば、とても嬉しいです。

 この年末、私だけの特別勝手な順位は関係なしの「全国高校駅伝」でした。