8月23日「中田翔選手 朝日新聞と読売新聞との読み比べ バランス感覚が養われます」

 20日、21日、22日の週末、プロ野球界での話題はというと、なんといっても「中田翔」選手ではないでしょうか。今日のマンデイモーニング・クオーターバックは、この問題で、朝日新聞と読売新聞の読み比べです。

 先ず、21日の朝日新聞の13スポーツ面は「中田 Gへ無償トレード」「暴力問題で日本ハム出場停止処分」が見出しです。記事の内容は、(前略)日本ハムが出場停止処分を科していたが、20日付けで解除された。中田は移籍会見で「(被害者)本人もそうだし、ファンを裏切ったことに、すごく後悔し、反省しています。すみませんでした」と謝罪。その後、東京ドームでの練習に参加した。早ければ21日にも出場登録される見込み。」というもの。

 一方、読売新聞は、13面のスポーツ面に「中田獲得のG長打力評価」「原監督『すべて共有し、進む』」「中田『チャンスいただけた』」という見出し。これに加えて、27面社会面でも「ハム中田巨人に 無償トレード」。そこの記事は、「(前略)取材に応じた大塚淳弘・副代表編成本部長は、『(中田選手本人が)反省し、野球をやめる覚悟もしていたと聞いた。その中で巨人がもう一度、チャンスを与えたい』と獲得の理由を説明した。(後略)」とありました。

 22日の朝日新聞の中田に関する見出し3か所。「出場停止 9日間で解除」「早期復帰に違和感」「中田が歩む茨の道」。署名入りで記者の記事を掲載されていました。とても考えさせられました。

 読売新聞は、22面のスポーツ面に「巨人が中田を移籍後初登録」の見出し。「球団は21日、日本ハムからトレードで移籍した中田を出場選手登録した。六回に代打で移籍後初出場し、四球を選んだ。七回から一塁の守備につき、九回の第二打席には中飛だった。中田は『一からという気持ちで、しっかりとやっていきたい』とコメントした。」また、32面の社会面でも中田の記事が「巨人・中田選手300万円を寄付 医療従事者支援」と。

 23日、朝日新聞系の日刊スポーツでは、一面トップで中田です。「中田弾」「長嶋さん直ゲキ!!事件判明11日後」「一生忘れられないG移籍後初安打」二面三面も中田です。「中田は一振りで空気変えられる選手」「長嶋さん窓叩いて歓喜『あの場面で完璧1発真の強打者ですね』」「僕は一からやっていくしかない」。

 読売新聞系のスポーツ報知は表一面と裏一面で中田です。「G1号中田」「長嶋さん大興奮『真の強打者』「予言的中『一本出れば大爆発』」「応援したいから今日来たの」「ミスターの握手に『頑張れ』に燃えた」二面三面も中田一色です。「「中田いろんな意味で一生忘れられない一日」。

 このように、今日の全てのスポーツ新聞の一面は、「中田、中田、中田」でした。

 その中で、朝日新聞は、13面の中田の記事は、「中田(巨)移籍後初の先発出場で七回に左越え2ラン。『がむしゃらにいった。チームに貢献できるようがんばる』」だけです。

 読売新聞の21面スポーツでは、「G中田初アーチ」「初スタメン同点劇呼ぶ」。更に34面社会では、「新加入中田選手ミスターが激励」。

 以上です。朝日新聞と読売新聞を両方読むと面白いです。バランス感覚が養えます。

 さてその日の朝日新聞と読売新聞の一面トップは、朝日新聞が「横浜市長に野党系・山中氏 「IR誘致反対 首相支援候補破る」。読売新聞が「横浜市長選与党敗北」「政府コロナ対策に不満」。コロナ禍の問題、IRの問題、政党間のバランス感覚、様々考えさせられます。

 そこで最後に私の考えです。朝日新聞は、夏の甲子園第103回全国高校野球選手権大会を後援。小学生のティーボール選手に大きな夢を与えてくれています。出場選手の中の多くは小学生時代体育の授業でこの日本式ティーボールをプレーしています。高校野球を「教育の一環」として捉えておられます。一方、読売新聞は、プロ野球の創設者である正力松太郎氏がプロ野球を日本全土に普及。その精神は読売巨人軍の選手は「紳士たれ」と。私は大好きな言葉です。遠征は必ずネクタイ着用、ひげの禁止等いろいろと規律を守るルールがあると聞いています。プロ野球であってもその「人間教育」をとても大切にされています。日本式ティーボールについても読売新聞の多くの方々が深い理解を示してくれています。中田選手は縁があって名門読売巨人軍に入団されました。そこでは、野球の神様・川上哲治巨人軍V9の野球哲学、野球教育等を学ばれ、昨日のように長嶋茂雄さんに激励され、今後は日ハムでの出来事からしっかり「挽回」され、心機一転巨人軍での「活躍」を期待いたします。野球からの学びは本当に多くあります。私が「野球人」として尊敬する平安高校の一年後輩国民栄誉賞の「衣笠祥雄」さんは、私によく次の事を言ってました。「野球が僕をここまで育ててくれました」と。

 朝日新聞と読売新聞、その他スポーツ新聞を読んで、以上のことを様々考えた今日のマンデイモーニング・クオーターバックでした。