8月4日「気温36度、人間の健康第一、次に競技、これはオリンピックも全国小学生大会も同じです」
今、午後の3時。事務所から1分で行けるイトーヨーカドーに飛び切り冷えたキリンの「生茶」を5本買いに行きました。外は大変熱いです。1分歩いただけで汗びっしょり。気温は35,36度はあるのではないでしょうか。この炎天下に行うスポーツは熱中症に気を付けなければなりません。熱中症は本当に怖い病気です。ひどい時は死に至ります。
一昨年文部科学大臣杯争奪小学生ティーボール選手権大会を、7月29日に開催しました。梅雨明けして1週間たつか経たないかという時でした。当日は朝の大会開会式前に、私は参加チーム代表者を集めて、次のようなことを言いました。「この大会は、文部科学大臣杯がかかっていますが、メットライフドームの中で、気温が35度以上になれば、この大会は中止します。子どもの健康が一番大事です。ここで病人を出したら、それは主催者の責任だけでなく、引率責任者の方々、また、このドームを貸した西武の関係者全ての責任になります。ご理解いただけますよね」と。ほとんど全員の引率責任者(監督)の方は、大きく首を縦に降ってくださいました。「従って、試合のない時の練習は禁止します」。これも理解してもらいました。全国大会に将来のある小学生を引率してくださる方は、選手の健康ファースト。これを正しく理解してくださったのです。当日は、大会中は2,3人が医療関係者のご判断で、球場横で待機している救急車の中で簡単な治療を受けただけで済みました。安堵したのは、引率者と保護者と選手だけではありません。大会関係者全てでした。
私は、東村山市の教育委員を18年間勤めました。今からもう15年程前になりますか、その教育委員会で次のような発言をしました。「目安として、気温が30度を超えたときは、原則体育は木陰で行うこと、その時の授業の工夫を先生方は準備しておくこと、それができない場合は、室内で他の実技を用意するか、または、体育の中止を考え、保健の授業に変えること」、更に私は「33度を超せば自動的に体育の授業を中止すること」。他の4人の教育委員さんは、きょとんとしていました。私はその時さらに付け加えました「雨が降れば、体育をすぐ中止にされますよね。それよりも炎天下で体育を行う方が、もっともっと怖いことですよ」と。この私の発言は、当時としては真新しいことゆえ、結構インパクトがありました。多くの教育関係者が「熱中症」について考え始めてくれました。今もって私はこの考え、当然と思っています。
いつの時からか、私はあの全国小学生大会を真夏の危険度の高い7月終わりから8月の開催を春か秋の気候のいい日に移せないものかと思案していました。それが、このコロナ禍です。また、オリンピックとパラリンピックが開催されます。7月、8月は無理です。開催できません。私は「ホッ」とした感じ。熱中症から「セーフ」です。今年は、冬休みの12月26日の開催。そのことによって、地方の大会が、秋の9月、10月、たとえ11月であっても気候のいい時に予選会を開催できます。今本当に、この全国小学生ティーボール選手権大会を12月にしてよかったと思っています。関係者の皆さん、ご理解、そして納得していただけますか。
さて、オリンピックに目を向けると、テニスの大会が炎天下で行われる予定の試合が出場選手の要望で少し気温が下がる夕方からの試合開始となりました。こんなのこの時期無茶苦茶熱くなるというのは、日本に住んでいる者は、以前から知っています。テニスの代表選手よくぞ正論を強調してくれました。大会関係者も柔軟な姿勢を示され日程・開始時間の変更等お見事でした。
マラソンと競歩はこの時期比較的涼しいと考えられる札幌にしたのです。札幌では5日から9日までその競歩とマラソンが開催されます。週間天気予報によると、35度前後が続くようです。選手の健康は本当に大丈夫なのだろうかと心配です。いいコンディションになること、涼しくなることを願っています。
室内の競技は、日本の選手団、極めて順調です。7月30日から金メダリストを紹介していませんでしたが、女子柔道78キロ超級決勝で素根輝、キューバのイダリス・オルティスに反則勝ち、今大会は失点なしで全て1本勝。その曽根さん翌日の団体戦もチームは1勝3敗で銀メダルでしたが、彼女だけが勝利したのです。女子柔道界の頂点に立たれました。素晴らしい出来栄えでした。本当の世界一、おめでとうございます!
昨日は、同じ室内競技の体操・鉄棒で橋本選手、ボクシングでは入江さん、それぞれ「金」を獲得した時の「笑顔」は本当に素敵ですね。これまた、おめでとうございます。オリンピックでは、勝利者、敗者様々です。喜怒哀楽、様々人間のアスリートの表情が映し出されます。このことが、それを見ている人に大きな感動を与えるのです。
日本の7月の終わりから8月の初めにかけて屋外競技を行う場合、出来るだけ夕方か早朝にしてください。オリンピックといえども、いくら強い元気な人たちの集まりと言っても限界があります。体温より熱い気温の下でのスポーツは危険極まりないです。
「人間の健康を第一」に考えその次に「競技」。この順番を間違えると、主催者としてはまともとは言えません。これは、オリンピックでも、全国小学生ティーボール選手権大会でも同様です。私は今、冷たい「生茶」を飲みながら、冷房が入っている事務所にいます。これがいいのです。「快適」です。この先札幌での競歩、マラソンは熱すぎることなく、それに12月26日の全国小学生大会は寒すぎることなく、選手にとって「快適」な気候となることをただただ祈る思いです。