10月19日 斎藤佑樹選手が引退 第2の人生、多くのあなたの見知らぬ「仲間」と「ファン」が応援しています
斎藤佑樹選手が、2021年10月17日のオリックスとの試合をもってプロ野球界を引退しました。早稲田実業3年生の2006年、夏の甲子園決勝戦で田中将大投手がいた駒大苫小牧と引き分け、そして再試合は4―3で破り優勝。斎藤佑樹フィーバーが全国で巻き起こりました。その後早稲田大学教育学部に進学し、野球部に所属。4年時には第100代主将を務め、通算31勝をあげる。大学でも彼の人気は大変なもの。そして、2010年ドラフト1位で日本ハムに入団、そしてこの11年間の通算成績は15勝26敗でした。
私は彼の早稲田大学の4年間、大学内外で、いろいろな人と彼の活躍について様々、楽しく言ったり、聞いたりしてきました。そこで一番印象に残っているのは、私のゼミ生で斎藤選手の学生ピッチングコーチ(彼は日本ティーボール協会中級指導者公認資格所有者)していた学生との会話です。彼は同学年ピッチングコーチと言うよりむしろ彼の相談相手であったという方がいいでしょうか。彼は高校時代その出身県で「最優秀投手賞」を受賞した名投手。その実力で文武両道AO入試で入学し、3年生から学生ピッチングコーチになったのでした。その指導者が私です。
私は彼に「投手が打者を打ち取るための基本は、打者の目から見て一番遠い所に変化するボールを投げること」。これを具体的にいうと「外角低めへ出来るだけ速いボールを投げ、そのボールを『ムーブ』(動かせる)させること」だと。もっと分かり易く言うと、外角低めは、打者が強いスイングを行いにくい、ジャストミートする確率が低い。だから、投手は外角低めに投げ、そのボールを動かす、例えば、カーブさせる、落とす、または、落としながらカーブさせる。緩急をつける。これが大事だよと。
ただ、このアドバイスを学生ピッチングコーチのゼミ生が、斎藤佑樹投手に言ったかどうかは、確認していません。
先日この「理事長からのメッセージ」で書きましたが、斎藤佑樹投手が主将であったときの主務(マネージャー)福満君もこのピッチングコーチも人間科学部のゼミ生。そして学部は違うが同級生のドラフト1位の大石と福井両君はスポーツ科学部生、皆いい学生でした。
斎藤佑樹選手が、大学最後の試合でも、プロ野球界最後の試合でも言いました。僕は「最高の仲間」を持っています、と。彼の人柄、その人間性が立派で、人格者でなければ「最高の仲間」はなかなか得られません。それを彼は11年前も今現在も持ち続けています。勿論これからも、素晴らしい多くの「仲間」に恵まれるでしょう。彼は野球技術だけでなく「徳」「品位」「格」等も有しているのです。
スポーツ新聞は、あれこれ書いています。これからはやれ、政治家だ、俳優だ、野球指導者だ、ニュースキャスターだ、フロント入りだ・・・。じっくり考えてこれからの人生を決められるのでしょう。きっとどの分野に進まれても「仲間」に恵まれる人生を送られるのではないでしょうか。それはなぜか?
私はプロ野球での11年間で15勝26敗。この11年間は、怪我あり、故障あり、様々な葛藤あり、斎藤佑樹選手を人間として途轍もなく大きく育てたと思います。この数字は信じられに程の苦労をした証です。苦労した人間は強いぞ!
斎藤佑樹選手! グッド・ラック! これからが第2の人生の始まりです! 偉大なる成功を祈念します! 多くのあなたの見知らぬ「仲間」と「ファン」も応援しています! 明るく行きましょう! 楽しみです!