1月24日 早大博士課程で学ぶいとうまい子さん、政府の「教育未来創造会議」の委員に。ティーボールの経験者です

 昨日の朝日新聞の20面、「教育」の欄に早大博士課程で学ぶ「いとうまい子さん」が掲載されました。内容は、政府の「教育未来創造会議」の委員に就任されたとのこと。そこの見出しでは「40歳で大学へ 広がった縁と未来」とあり、詳細は「45歳で早稲田大学に入学。予防医学、ロボット工学、基礎老化学と次々に専攻を広げ、今は大学院の博士課程で研究室に通う日々を送る」とあります。今、取り組まれているテーマは、「アンチエイジングの研究。赤ワインに含まれるポリフェノールの一種をマウスに与えると、老化を遅らせることができる。人間にも同様の効果のある物質がないかを東京大学と共同で探している」とのこと。素晴らしいです。

 私は歳をとりました。「アンチエイジングの研究・老化を遅らせる研究」はとても興味があります。研究の成果が待ち遠しいです。

 いとうまい子さんが今から12年前、早稲田大学人間科学部の通信教育課程に入学されたその年、彼女は私の「ソフトボール」の授業を履修しました。通信制ですから、新学期から、彼女はパソコンの画面越しで私から指導を受けていたことになります。そして私が最初に彼女に直接会ったのは、夏の「スクーリング」の時でした。100人程の受講生が外野の芝生で私を待っていた時に、一人テントの中で、静かに椅子に座って待っている女性がいたのです。それが彼女でした。私は、テレビも見ない、昔の少女雑誌(彼女は以前少女雑誌の表紙を飾っておられたとか)も読まないので、彼女のことは全く知りません。私は彼女に「さあ!授業を始めますか」というと、可愛らしい笑顔で「さあ!やりましょう」という元気な声での返事です。こちらも、ニッコリ。こんな感じの初対面でした。

 授業を始めると、彼女は一般学生と共に、黙々と、キャッチボール、トスバッティング、ティーバッティング、ソフトボールの試合にといい汗を掻いておられました。そして何よりも、初心者のための「ティーボールの試合」は楽しそうでした。その全てのプログラムにおいて、彼女は全力でプレーされていたのです。その学ぶ姿勢は、立派で、見事でした。

 3年生になると、可部明克先生のゼミに行かれました。可部先生は、日本ティーボール協会の前身である「大学スローピッチ研究会初代学生幹事長」です。可部先生のゼミは、とても人気の高く優秀な学生が集まりました。彼女はそこでの優等生。そして卒業後は、大学院へ。

 それから、研究の分野を広げられて、上記のような研究を更にブラッシュアップされ、今日にいたっているのです。素晴らしい研究者です。一方で、多くの人物を引き付ける魅力もあります。

 ティーボールは、予防医学の分野でも、大きな成果をあげています。例えば、私の現役時代の研究の一つが「喘息時のための運動療法」。ティーボールは喘息児のための運動療法としては最適という結論が出ています。それは、ティーボールは他人の動きに合わせることなく、自分のペースで動きを調整できるからです。これは、運動誘発喘息の予防に役立ちます。勿論、遅発性喘息を引き起こしにくくもなるのです。喘息には、子どもの頃の「水泳」が適しているのは周知の事実ですが、陸上でも、プレーの合間に「間」を自分で調整出来るので「予防医学」の一つとして、その有効性が認められています。

 いとうまい子さんが、45歳から学びを始めた「予防医学」「ロボット工学」「基礎老化学」その成果が上がるのが楽しみです。この研究者マインド、情熱、集中力、豊かな才能、指導力、教育力等を発揮され「リカレント教育」の普及の為、政府の「教育未来創造会議」の委員として、活躍されることを心から願います。