10月4日 村上宗隆選手三冠王、56本塁打。野球は面白い、難しい、楽しい、笑顔にしてくれる。その原点は「日本式ティーボール」

 東京ヤクルトスワローズ村上宗隆選手が、3冠王、56本塁打(日本人選手最高)を昨日今シーズン最終試合、最終打席で確定させました。物凄いことです。私は、昨夜、8時45分NHKテレビ首都圏ニュースの天気予報を見ていると、テロップで速報、この偉業を知りました。それからは、1チャンネルのNHK「ニュースウオッチ9」、9時54分からは5チャンネルの「報道ステーション」、11時からは先ず6チャンネル「ニュース23」、その後、4チャンネル「ニュースゼロ」でも村上選手を観ました。これでもか、これでもかといったように、何回も観ました。村上選手の一本の同じ本塁打を、角度を変えて観る度に笑顔いっぱいになりました。村上選手が本塁打を打った瞬間のニュースキャスターは、皆、特別の笑顔でした。キャスターの笑顔を見てこちらもさらに笑顔です。最高の夜でした。

 私は村上選手の特別の大ファンではありませんが、村上選手の偉業があまりにも素晴らしいので、ただただ関心して、22歳の若者のヒーローの誕生に気持ちが躍っていたのです。昨日は、この快挙と同時に、嶋選手、内川選手、坂口選手の引退セレモニーも行われました。内川選手には工藤元ソフトバンク監督、嶋選手には、楽天でバッテリーを組んだ田中将大投手が特別ゲストで参加。それらのニュースを観てヤクルトスワローズの演出の巧みさに圧倒されました。新旧大スターの交代劇を見て堪能した夜でもありました。

 さて、村上選手の快挙で、私は次の3つに興味を持ちました。1つは、村上選手の本塁打と打点が圧倒的に多いこと、即ち二番手に大きく差をつけていることです。2つは、55本塁打を打った後、60打席の間、本塁打を打てなかったこと、3つは、最終試合の前の試合で、高津監督はこの村上選手を試合に出さなかった選手起用法です。

 先ず1つ目、村上選手の本塁打は56本。2番手の巨人の岡本選手は30本、何と26本差。信じられないです。次に打点が134。二番手は、DeNAの牧選手と阪神の大山選手が87、その差は47点。これも常識では考えられません。打点が多いということは、村上選手がチャンスに強く、桁外れに凄いのと、ヤクルトの上位打線の選手の出塁率が高いことが挙げられます。本当に良いチームに村上選手は所属しています。

 2つ目、9月13日に54、55本塁打を打ち、あの偉大な王貞治氏が打った55本に並びました。その折、私を初め多くの野球ファンは、この先、村上選手は何本本塁打を打ち続けるだろうか、60本の記録を持つバレンティン選手の記録を破るのでは、と考えた人も多かったでしょう。しかし、その後、村上選手は、13試合本塁打は無し。昨日14試合目にしてようやく56号です。この間、三振は60打席中20個。一気に打てなくなりました。これが野球の奥の深いところ、バッティングの難しいところです。打てない理由は何なんだろう、これを様々考えるのが、ファンとして面白いのです。強打者が、いつも本塁打を打てるものではありません。打撃には、好・不調の波は必ず来ます。それは内的要因(心理的なもの等)か、外的要因(家庭・地域・仲間等)か、身体的な要因から、技術的なものか、様々です。

 最終試合の前日の試合に、高津監督は村上選手を試合に出場させませんでした。それは、村上選手の身体的・精神的、その他全ての条件を考えての判断でした。気分転換をさせたかったのでしょうか。それとも単に休ませたかったのでしょうか。結果的には、最高の決断でした。凄いです。この最終試合、村上選手は3打席0安打であれば、三冠王確定。4打席0安打では、中日の大島選手が首位打者。よって、試合途中で3タコになったら他の選手に代えてもらえば、そこで三冠王は決まりです。でも、村上選手は違いました。なんと2打席目にレフト前のヒット、これで自力で首位打者を確定させました。その上、4打席目、即ち今年のシーズン最終戦、最終打席で入江投手の150キロを超える高めのストレート系をジャスミート、完璧な右翼席上段への大アーチ。この2打席目のヒットと4打席目の本塁打は、前日の試合欠場なくして出来えない結果だと思います。見事な高津采配でした。

 ただし、これも昨日村上選手がヒットと本塁打を打たなかったなら、高津采配はまた違った評価が下っていたかもしれません。

 野球は面白い、難しい、楽しい、笑顔にしてくれる。最高です!

 その原点が「日本式ティーボール」ですね!