3月24日「ベースボール型球技の両極(競技性と大衆性)を考える、実に楽しい日でした。」

 昨日は、ベースボール型の競技性と大衆性を考える一日となりました。

 先ず、競技性については、一昨日WBCの優勝戦が終了し、日本がアメリカを下し世界一となりました。WBCでこの一か月は大騒ぎ。私も例外でなく、野球の試合を観ながら、涙を流したり、笑ったり、ドキドキしたりで大変でした。楽しかったです。野球小僧に戻りました。

 昨日は18年振りで東京理科大学野田キャンパスへ行きました。途中で、駅売りの読売、毎日、サンスポを買い、WBCを読んで楽しもう。自宅では、朝日と日刊スポーツを購読しています。5紙の読み比べ。野球をテレビで観て楽しむ、読んで楽しむ、この人たちが野球(ベースボール)界を支えています。

 競技性の反対の極、野球の大衆性をなぜこの日に考えたか? 実はこの日は東京理科大(以下理科大)、東京大学(以下東大)、早稲田大学(以下早稲田)男子ソフトボール部の3校対抗戦が、理科大野田キャンパスで開催されたのです。

 先日、理科大教授兼ソフトボール部監督の柳田先生(協会理事)から、3試合終了後、交流会を行いたい。ついては、その折、「大学(日本)ソフトボール界の過去、現在、未来についての講演」を提案されました。喜んでOKさせて頂きました。

 この3校は、「日本ティーボール協会」の前身「大学スローピッチソフトボール研究会」の中心となっていた大学です。私は部員達に、理科大では丸山克俊先生(初代協会専務理事)、東大では初代幹事長可部明克先生(初代協会常務理事)のことを、丁寧に語ることが必要と考えました。その他では、彼らとの出会いから、研究会創設の経緯、更には、いつから3校対抗戦を始めたか。その3校がどのようにして、全国の大学ソフトボール界を牽引したか。ソフトボールの本質は、いつでも、どこでも、誰でも、笑顔で出来る球技、これらを語るべきと考えていたのです。

 1試合目は東大と理科大、2試合目は東大と早稲田、1試合目の途中から雨がぱらぱらと降ってきました。2試合目になると雨脚がだんだん強くなり、試合の終盤には、かなり強くなってきました。予定では、3試合が終わった後に交流会が開かれるところでしたが、責任者の柳田先生が、続行は無理と判断され、3大学全員を体育館内の柔道場に集められ、3校の学生は、東大、理科大、早稲田をミックスする形で8グループに分け、車座で自己紹介、更には、その後、講演をする私に対して、何を質問するかを話し合うミーティング。20分ほどして、私の出番が来ました。

 先ず最初は、上記のことを簡単に話した後、東大の主将から「なかなかソフトボール部員が集まらない。どうしたらいいか」という質問。私は「ソフトボールは、80歳、90歳まで楽しめます。それが魅力」。続けて「また、部員を集めるには、50人の学生に声をかけ、そこから3人でも、5人でも集めればいい。それでも集まらないと100人に声をかければいい。君たちには物凄い魅力がある、『僕たちと一緒にプレーしよう。友達になろう』、このような言葉かけ、勧誘方法で如何ですか」と。

 実は、こんな例もありました。30年程前、東大に女子部のソフトボールのチームがあり、その主将兼投手で4番の学生は、何をしたか? 東大の女子学生全員に部員募集のダイレクトメール。凄いでしょう。それが東大」と。「ソフトボールを普及させるためには『情熱』が絶対必要」とも。

 理科大の皆さんに対しては、私が「丸山克俊先生と私は、日大の大学院からの同級生。私はソフトボールの専門家、丸山先生は日本体育大学を首席で卒業され、大学時代は図書部の部長、勉強、読書好きの秀才、彼は私より5歳下でしたが、私は彼を尊敬していました。彼が理科大にソフトボールチームを創られたとき、少しばかり協力させて頂きました。先生はその情熱で、大学の管理職の先生方を説得し、この構内に、5面のソフトボール場を、約35年前に作られました。それは、勉強や実験で疲れた後のレクリエーション活動はスローピッチソフトボールが最適と考えられたからです」と。現在は1面の立派なソフトボール場と多目的グラウンド、テニスコート等に変わっていました。

 参加した部員全員に、私は、次の質問をしました。「この中で小学生時代ティーボールを授業でプレーした経験がある人は、手を挙げてください」。いました、いました。約4分の1の部員が経験者です。「このティーボールの前身、スローピッチソフトボールを世に広めようとしたのが、君たちの先輩たちです」先輩たちを誇りに思ってください。この話をしたとき、皆嬉しそうでした。

 私の話は続きます。「大谷さんと、トラウト選手とのあの対決を観ましたか。凄いね、特に、三振を取ったあのスライダー、そしてトラウト選手のあの鋭いスウィング。あれが『競技スポーツとして最高峰のベースボール』です」と。

 「一方、このWBCを支えているのは、誰ですか。我々ソフトボール選手、並びに多くの野球好きの人たちなんです。昨日のテレビを観た人、今朝新聞を読んで喜んでいる人、違いますか? この人たちも野球界の主役。この人たちが行うベースボール型は、『大衆性に優れたスローピッチのソフトボールであり、ティーボール』です」と。

 天国の丸山先生、可部先生!この機会に3校対抗戦を正式に復活させます。「丸山克俊杯」も用意します。そして、柳田先生を中心にして上記3校の部員達と「いつでも、どこでも、誰でも、楽しく、笑顔で出来るベースボール型」も再び研究します。約束します。昨日は、実に楽しい日でした。

 柳田先生良い機会をありがとうございました。