10月10日「全国大会と審判講習会を成功させるために久保田審判長と打合せ。その報告です」

 昨日、審判長の久保田常務がこの事務所に来られました。要件は二つです。一つは、この度「甲子園の夢プロジェクトの原点」(大学教育出版)を出版した。その書をサイン入りでわざわざお持ち下さったのです。ご本人の話だと、本の出版はこれで4冊目とのこと。素晴らしいですね。特別支援学校できちんと生徒たちに教育されて、その空き時間にこのような立派な著書を刊行されるとは、お見事です。早速、昨夜斜め読みさせて頂きました。その著書の推薦文は、評議員で元プロ野球選手の荻野忠寛さん、見事な連携です。出版おめでとうございます。また、ありがとうございました。

 二つ目の件は、12月26日の全国大会を審判部として、1,大会をどの様に管理運営していくべきか。その前に、2,11月20日審判講習会を開催するため、そのルールについての確認。この二点です。前者に関しては、明日11日(月)西武の担当者と話を詰めますが、私が今イメージするのは次のようなことですと、お話いたしました。

 先ず、人員の件です。試合会場は、2年前と同じく4面。それぞれの面には、最低6人の審判員、計24名以上は確保してもらいたい。これは、全国大会では、各面3人制の審判員を採用することになっているからです。加えて、今年は、記録に関しても審判員でお願いしますと申し上げました。

 次に、ルールの確認です。令和元年8月17日、「全国小学生ティーボール選手権大会 審判員反省・次年度に向けて」という資料があります。そこから、二つの質問をされました。一つは「主審は常に周囲の状況を確認してから、プレイをかけることを徹底する」の件です。久保田先生の説明では、先の大会で、三塁審判が「タイム」をかけたが、それを主審が見落としプレーを続行した。そのため、守備側のチームから抗議があった、というもの。この場合、審判団としてはどのようにするべきかという質問です。

 これには、私は先ず「主審とは」から説明しました。3人の審判員は、球審、一塁塁審、三塁塁審に分かれます。多くの方が勘違いするのは、球審=主審ということです。これは間違いです。主審は、球審でも一塁塁審でも三塁塁審でもどなたがなっても良いのです。その試合前に決めるのです。

 質問については、三塁審判でも、一塁審判でも「タイム」をかければ、その時点で「タイム」が成立します。何も球審の「タイム」を待って「タイム」が成立するということではありません。これを徹底してくださいとお願いしました。日本のソフトボール界では、球審が「タイム」をかけるまで「タイム」は成立しないと聞いたことがありますが、それは何かの勘違いです。3人の審判員の内のいずれかが「タイム」をかけても、そのかけた時点で「タイム」=「ボールデッド」は成立します。

 次に、「最終回最終バッターの時、通常のアウトの他、ボールを保持した守備者が本塁ベースを踏んだ瞬間に試合終了とする」という文言をどこかに入れてはどうかという提案。これとても分かり易いですが、入れてしまうと一つ問題が起こります。これを私は久保田先生に指摘しました。それは、「最終バッターが長打を打ち、二塁を回って三塁に向かっています。外野手が打球を捕り、そのボールを三塁ベース上の三塁手に送球、そこで三塁手が送球をキャッチし三塁ベースをタッチ(触塁)。その後、二塁を回って来た走者が三塁ベースの到達、このプレーだとどうですか。三塁手がボールを三塁ベース上で捕球した時点で、走者は(フォース)アウト、試合終了です。このような時、ホームベース上のプレーは起こりません。だから、上記の文言は入れられないのです。

 これはぜひ、審判研修会で検討して下さい。

 文言を入れるとするならば、次のように提案します。

 「最終回最終バッターが打撃をしたならば、通常のアウト(フライの捕球等)他、その打者走者の触塁していない前位のベース(一塁か二塁か三塁か本塁、どの塁でもOK)に野手がボールを保持して、触塁したならば、その走者は即時アウトとなり、試合終了となる」如何でしょうか。

 二つ目の(例)です。打者がレフト前にヒット、その打者走者が一塁ベースを回って二塁に向かって走っている、そこで、その走者が二塁に到達する前に、野手は二塁でボールを保持して触塁すれば「打者アウト」「ゲーム終了」です。この場合、野手は三塁でも、本塁でもボールを投げてそのベース上で野手が触塁すればこれも走者アウトです。

 11月の審判講習会、より実り多い会になることを願っています。

 最後に、バットを投げる行為についての質問が出ました。これは極めて簡単です。野球やファーストピッチ・ソフトボールではバットを投げてアウトのなるルールはありません。アメリカのお年寄りのスローピッチソフトボールリーグにのみで採用されているルールです。私は、「バットがデッドラインを超えたときのみ『打者アウト』にしてください」と答えました。

 実は、学校の体育館、あるいは校庭が狭い場合、デッドラインを引けなくて、バッターズサークルのみ引き、そのサークルからバットが出ると「打者アウト」という特別ルールを採用しているところがあります。それはローカルルールとして良いのですが、全国大会はそれを採用することはありません。これは審判研修会で徹底することで、久保田先生と一致しました。

 以上が久保田先生との打合せでした。要した時間は2時間半。とても楽しい時間でした。以上皆さんに報告いたします。

 事務所までお越しいただいた久保田先生! ありがとうございました。