4月21日 親子で「柔らかいボール」を使用して「スロー、ラン、ピックアップ」

 今日は、幼児・小学1,2年生が楽しむ「ボールゲーム」の3回目のメッセージです。

 一昨日、2017年に出された「小学校学習指導要領解説体育編」の中に「◎運動遊びが苦手な児童への配慮」が1年生から6年生までしっかりと記述されました。私はこれを見たときはっきり言って驚きました。文科省はここまで配慮するのかと思ったからです。いいことです。素晴らしいです。

 さて今日ここでのキーワードは、「柔らかいボール」です。

 ボールゲームが嫌いな児童は、固いボールが幼児か小学校低学年の頃体に当たって痛い思いをした。ボールを捕れなくて人からけなされた。プレーしたことがない(いわゆるやらず嫌い)。このようなケースが多いです。

 ここで私が若いお父さんやお母さんにアドバイスをしたいのは、幼児に対してこの「柔らかいボール」を使っての「ボールあそび」です。

 お父さん、お母さん、多くの大人たちは「ボールあそび」というと先ずは「キャッチボール」からと思うのです。この考えは子どもが「ボールあそび」に少し興味を持ちだしてからでいいのです。

 先ずは、ボールをしっかり握れるボール(柔らかいボール)を使用しましょう。幼児にボールを持たせます。そしてどの方向でもいいから投げさせます。これ幼児は本当に楽しく投げます。投げるとボールが転がります。それを幼児は自分でボールを取りに行きます。そこでボールを捕ったらまたどの方向でもいいから投げるのです。これは「キャッチボール」では、ありません。「スロー、ラン、ピックアップ」です。これでいいのです。これを家の中、狭い公園、ガレージで行おうとするとどうでしょう。「柔らかいボール」(J.T.A.ケンコーティーボールオレンジ11インチ)が必要なのです。この遊びを公園でもできます。「キャッチボール」ではありません。「スロー、ラン、ピックアップ」です。公園で「キャッチボール禁止」と書かれていても、誰もこれは「キャッチボール」と思いません。また、お父さんが「ゴジラ」になって、その「お腹にボールを当てるゲーム」これも面白いです。当たればお父さんが「ゴー」とでも吠えればそれはそれで楽しいです。柔らかいボールだから楽しめます。

 お父さん、お母さん、保護者の方々の想像力を生かして考えればボールあそびは何種類でも考えられます。

 そこでは、テレワークでいつもおうちにいるお父さんの出番があります。お父さんの気分転換にもなります。お母さんは、それを見ているだけで楽しいです。ここで体をしっかり動かした幼児は夜ぐっすりと眠れます。子どもの健康に、家庭の平和にとてもいいです。このコロナ禍の時代、このような光景を日本のあちこちで見かけるようにしたいですね。

 これを各家庭でしっかり行っていると、これが気分転換となって勉強にも仕事にも身が入ります。小学1年生、2年生になって学校の体育が行えるようになったときにこの幼児での親子の「ボールあそび」体験は必ず役に立ちます。体育の時間が楽しくなります。球技の基本も知らず知らずの間に身についています。

 次に「キャッチボール」のアドバイスです。

 二人一組で「キャッチボール」を行おうとすると、これは先ずは初心者同士の「キャッチボール」は楽しくありません。なぜだかわかりますか。相手が投げたボールが捕れないからです。ボールが捕れなくて「キャッチボール」が楽しいわけがありません。「キャッチボール」のイロハは「相手がボールを捕れるところにボールを投げられる人」と「初心者」が二人一組になることです。父子、母子、兄弟、姉妹、近所の野球の好きなおじさん(おばさん)と初心者、このようなペアーがいいのです。これ物凄く大事です。

 この反対に、初心者同士が「少し硬いボール」を使用して、そのボールが相手の体に当たったらその当てられた人は、球技が嫌いとなる確率は高いです。これを考えても初心者同士の「キャッチボール」はやらないか、どうしてもやらなければならない時は、「柔らかいボール」を使用することです。

 最後にもうひとつアドバイス。

 日本の多くの人は、「キャッチボール」というとノーバウンドで投げ合うことを考えます。これもよろしくありません。子どもと「キャッチボール」をするときはゴロだったり、ふんわり投げたボールのノーバウンドであったり、ワンバウンドであったりすることです。そうすると子どもは恐怖感なくボールを捕りに行きます。キャッチした時、物凄く嬉しそうな顔をします。本当に嬉しいのです。

 子どもが差し出したお椀のような両手の上に、投げ手はボールを山なりに投げます。それを子どもがキャッチしたらめちゃくちゃ褒めてあげる。そして、徐々に「ノーバウンドでのキャッチボール」を行えるようにするのです。

 幼児や小学1年生・2年生にキャッチボールを教えるときは、このような「配慮」が必要です。これを幼児期に親子でしっかり行っておくと、文科省の方々が心配されるような小学1年生、2年生での「◎運動遊びが苦手な児童への配慮」は必要なくなります。

 皆さん、このコロナ禍の中親子で「スロー、ラン、ピックアップ」を楽しくやりませんか。将来のボールゲーム、球技の基礎「投げる、走る、捕る」が習得できますよ。