4月25日「女子プロ野球選手の偉大なる貢献、セカンドキャリアを考える」

 4月23日は、「お母さんとチャレンジ 第1回ティーボール教室」について書きました。第2回からの教室は、「親子でチャレンジ 第2回ティーボール教室」と名を変え今日まで続いています。ただ、昨年はコロナの影響で、このイベントは中止となりました。

 第1回から特筆しなければならないことは、一般社団法人日本女子プロ野球機構の皆さんの偉大なる貢献です。彼女達の協力なくしてこのイベントは成功しなかったといっても過言ではないでしょう。それ程、彼女たちは常に幼児や小学1,2年生と同じ目線で野球の面白さである「打つ、捕る、走る、投げる」をしっかり指導し、また丁寧に子ども達が飽きることなく、常に笑顔で引っ張ってくれました。子ども達の目線に合わせて膝をついての姿勢で指導は見事です。この女子野球の選手たちの素晴らしさ、凄さがそこにあります。

 さて、この女子プロ野球機構の皆さんとこのように仲良くなれたきっかけはいつ、どこで、誰と誰が出会って、今日に至っているのでしょうか。

 もう10年位前になりますか、当時女子プロ野球の責任者だった片桐さんと岩崎さんが、何と京都から東京の高田馬場の協会事務所にわざわざお越しくださって、女子野球を発展させるためにはどのような戦略を立てるべきかの相談に来られたのです。もともと片桐さんは電通の方で、彼の後輩に早稲田大学ソフトボール部OBでティーボール協会の中級指導者公認資格を持っている人間から、私やこの日本協会のことを聞いてこられたのでした。

 片桐さんと岩崎さんと私の話はとんとん拍子に進みました。その結果、埼玉にあった事務所の女性職員二人が我々の高田馬場の協会事務所に週1のペースで、野球や経営学、または人と人とのコネクションの大切さについて学びに来られるようになったのです。その勉強会では多くの場合、日本ティーボール協会からは当時の専務理事であった岩浪さんも同席していただきました。4人とも野球が好きで時間の経つのをいつも忘れるほどでした。

 私は、戦後のサロンパス女子野球のチームの話、戦前の「レディスボール」、「キッツンボール(おてんば娘のボールゲーム)」、コエド(コーエジュケーション、男女一緒に行うソフトボール)、はたまた、アメリカでは「プリティーリーグ(女子野球のプロ)」の話などをしました。女子野球のことを書いたアメリカの書籍も読むようにと言ってその本を貸したりもしました。

 また最近では、アメリカのクワーズのビール会社が女子野球のプロ化を試みた話など、彼女たちは熱心に耳を傾けてくれました。

 日本でより大きく広げていくには、プロ野球か社会人野球の組織のいずれかと組むことを提案。プロ野球と組む場合はセ・パ両リーグのような形で行うこと、チームは巨人女子、阪神女子のようにして頂く。あるいは社会人野球と組むと、大企業に女子の野球チームを持ってもらい現在の都市対抗野球のようなスタイルで試合を行う。その場合、あなたの会社の社長さんは今までの女子野球に対する貢献が大であるので必ず「初代コミッショナーに就任」してもらうべき、などとアドバイスしていました。彼女たちはいつも熱心に私が話をすることをメモを取りしっかり学習して帰られました。

 私が、もう一つ彼女たちにアドバイスしたのは、セカンドキャリアの問題です。女子野球の選手は幼児や小学1、2年生の児童に野球を教えるのが上手です。そのため私が強く言ったのは、近所の幼稚園、こども園、保育所で「野球教室」あるいは「ティーボール教室」を行えるようにスキルをあげなさい、指導力を身につけなさい、人間力を高めなさいということでした。この教室を全国で行えるようにすると、野球は以前のように蘇ると私は真剣に考えていたものですから。それは私は早稲田大学ソフトボール部の女子と男子の監督を60歳から70歳まで務めました。この女子たちは皆野球大好き人間です。そして野球こそしませんが野球をやらせるとめちゃくちゃ上手いです。この人たちに幼稚園、こども園、保育所等で野球やソフトボールの指導をやらせたいなと常常思っていたのです。これが行えると野球の底辺はいっぺんに広がります。男性中心の野球界は間違いなく女子野球や大学ソフトボールの選手に目を向け、一緒にやらせてくださいとお願いに来ると思っていたからです。

 このような事を日本ティーボール協会が女子野球機構にアドバイスしていたときに、日本野球連盟の方から、東京ドームの「ティーボール教室」の話があったのです。お互い飛びつきました。その上、京セラドームでも開催するというのです。当時女子プロ野球は京都が主、関西には2チームあったものですから、なおさら相思相愛でした。

 女子プロ野球の選手は、皆しっかりと5時間の講習会を受講して「T・T・A特別公認指導者認定書」を有しています。彼女達には、東京、埼玉、神奈川等近隣の小学校にティーボールの指導に行ってもらいました。そこの教育委員会、当該の小学校の校長先生、担任の先生には喜んでいただきました。それは女子プロ野球の選手の皆さんの指導が抜群に上手いからです。

 現在、女子プロ野球のOGが数か所の幼稚園で「ティーボール教室」を始めています。これが成功すれば、女子プロ野球選手のセカンドキャリアとしていい仕事になります。幼稚園、こども園、保育園は日本中どこにでもあります。彼女が住んでいる近所の園に売り込んでその指導力を発揮してほしいのです。

 そこで、我々日本協会はどうするのとなると、その模範となる幼児ティーボール教室のDVDを制作することが急務となるのです。実は、昨年全国2か所でその撮影を行おうとしていたのですが、これもコロナでペンディングとなっています。コロナが収束すれば、ただちにこの収録に入るつもりです。

 DVDで指導する予定の先生、コロナが収束したらお願いします。日本中の多くの男女の野球・ソフトボール経験者の方がスタンバイしていますから。  「T・T・A公認指導者認定書」を有した女子野球・女子ソフトボール経験者が日本の野球界を救います。多くの人が、「ウイン、ウイン」「えがお・えがお」になる関係を日本ティーボール協会が中心となって作り上げていきまし