6月7日「9秒95.山縣亮太選手日本新記録。 広島の榎本さんを思い出す」

 9秒95。山縣亮太(28歳)選手、陸上男子100メートル日本新記録です。一昨年は肺気胸で日本選手権大会を欠場し、その後も右足首靱帯断裂や右ひざ痛などで十分な走りができなかったと聞いています。それがこの時期にこの大快挙です。驚きました。見事です。

 東京オリンピック、100メートル、9秒95と聞けば、我々の世代は、1964年の東京オリンピック100メートル決勝あのボブ・ヘイズの走り。同時に200メートルで強かったヘンリー・カーの二人を思い出します。ヘイズは筋肉隆々でパワフル、その頃からですか、ウエイトトレーニングを重ねると、スピードも増すのだ、という理論。当時の私は近畿予備校生、いわゆる大学受験に落ちて、同志社大学の筋向いの予備校に通っていた時、信じられないような理論。なんでウエイトトレーニングをすればスピード増すのか。その時の200メートルの王者のカー、彼はカモシカのような体形でいかにも足が速そう。これが本当のスプリンターだよねと、私のシロウトの考え。そんなのだから、大学受験に失敗です。当時受験した学部は商学部でした。 

 山縣亮太選手は、筋肉隆々でカモシカみたいです。ヘイズとカーを足して二で割ったような素晴らしいスプリンター。ケガからの再スタートでこの快挙。野球でいえば、トミージョーン手術を受けて復帰しているオオタニさんやダルビッシュさん。古くは我々の仲間であるあのカムバック賞をゲットした谷澤健一さん。どん底からの復帰は我々が想像を絶するような努力をされてのことでしょう。感動、本当に涙が出るほど凄いです。日本人が未だかって誰もが走りえてない猛スピードでゴールしたのでした。

 山縣亮太選手は広島県の出身、広島と言えば我々の仲間は榎本さん。一週間前の5月30日に彼から広島県ティーボール連盟の活動報告が届きました。それによると、一つは、マツダスタジアムを借りて「マツダスタジアムティーボール体験会」を開催した。二つは、地元の校長先生に「体育授業におけるティーボールの提案」をした。というもの。相変わらずやりますね。この二つのトライを見ただけで、榎本さんの迫力がこちらに伝わってきます。

 前者では、10時めどの開会式の発声、その5分前に会長の岸田文雄先生が駆けつける。参加した佐伯高校女子硬式野球部の14名の生徒と広島県工業高校硬式野球部5名に交じって2回打撃を行ったとあります。この時期に岸田先生よくおやりくださいました。榎本さんよくお願いしましたね。体験会は12時に午前の部終了。13時からどか点ティーボールで皆が楽しむ。15時撤収。

 後者は、先ず榎本さん、校長先生にまず自己紹介をなされて、パターン1,対象学年、4・5年生。目的、使用球、道具、内容は練習、模擬試合。パターン2、対象学年、1・2・3年生、目的、使用球、道具、内容は準備体操、歩いてみる、走ってみる、(ゆっくり、早く)投げてみる、打ってみる、ルール説明、模擬試合。これらを分かりやすく校長先生に提案。この手紙を受けとった校長先生もびっくりされ、圧倒され、驚かれたでしょう。また、とても喜ばれたのではないでしょうか。これが榎本さんの凄さです。お会いしたこともない校長先生に手紙を書いて送るのですから。

 榎本さんは、経済界やティーボール界ではヘイズのようなパワー、カーのようなスピードがあります。山縣亮太さんも驚く行動力・実行力です。

 この「理事長からのメッセージ」では、度々述べていますが、広島出身者は「進取の精神、フロンティア精神」をお持ちの方が多いです。私はハワイ、アメリカ西海岸、ブラジルと本当に広島出身の魅力的な多くの方に出会いました。このような土壌があるがゆえに、山縣選手、榎本さんといった傑物が出てこられるのですね。今日は、山縣亮太選手の日本一の走りで、広島県を、榎本さんを、ヘイズをカーを思い出しました。とても楽しいマンデイモーニングでした。