8月11日 マウイ島で山火事、雨降れー!出来るだけ早い鎮火を願います。シルバーソード、榎本喜八選手、恩人チャーリー・イワモトさんの出身地

 今日は「山の日」。7月17日は「海の日」でした。数年前の国会で「海の日」があれば当然「山の日」があってもいいのでは、といった議論がなされ、「お盆休み」に絡めて連休にということで、この11日を「休日」にされたように記憶しています。日本協会事務所は、お盆休みプラス「山の日」ですから当然休みです。でもなぜか私は事務所にいます。午前中は学生アルバイトが3人来てくれました。午後からは、2週間後の「インカレ」に向けて猛練習。11時30分に大学のグラウンドへ向かいました。

 日本は「山の日=休日」なのに、今、ハワイのマウイ島は、「山火事」で大変です。昨日の21時54分からの「報道ステーション」で知りました。そして、今朝の朝日新聞25面「社会・総合」の見出しは、「ハワイで山火事、36人が死亡」「非常事態宣言 旅行客1万人避難」。写真を観ると、「8日、炎に包まれるマウイ島ラハイナの教会。ザ・マウイ・ニュース提供=AP」です。とても心配です。

 今日のCNNのニュースでは、「これまでの死者は53人。アメリカにおいて過去100年で2番目に多い惨事となっている。国防総省は10日、州兵130人超が対応に当たっている」と。CNNが過去100年で死者が最も多かったのは、2018年11月に発生したカリフォルニア州パラダイスの山火事で、85人が死亡」と伝えています。一秒でも早く、鎮火することを祈ります。

 マウイ島の山火事、そこで私が最初に思い出したのが、あの「シルバーソードの花」です。皆さん、「シルバーソード」を知っていますか。これは、日本語で確か「銀剣草」と言います。高山植物でマウイ島のハレアカラ、マウナケア山頂付近で見られます。その姿は、銀色の剣が何10本も一か所に集まったように見えます。開花しているシルバーソードを観ることは地元の人でもなかなかないと言われています。本当に珍しい花なのです。大丈夫かなあ? 住人の方々、観光客の皆さん、そして、この「シルバーソード」をとても心配しています。

 私がマウイ島に最初に行ったのは、1968年の夏。京都明徳商業高校のソフトボール部のコーチとして、マウイのチームと親善試合を行った時です。その折に、このシルバーソードをマウナケアの山頂近くで観ました 。強烈な印象として記憶に残っています。

 その折、ホームステイさせて頂いたのが、ドクター泉さんの邸宅。広いお庭があり、奥様とそこを散歩しながら日本の現状を説明したことを覚えています。宿泊させて頂いた後、別れ際に奥様から、東京の「榎本喜八」さんに宜しくと言われました。私は、まさか!あの「安打性製造機、毎日オリオンズの」と聞くと、「そうです」と。榎本さんはこの家によく遊びの来られたのですって。そういえば当時の毎日オリオンズのキャンプ地はこのマウイ島。

 帰国後、東京中野区鷺宮の榎本さんに手紙を書きました。私にとっては、とても勇気ある行動でした。マウイ島の泉さんからのお願いですから守らねばなりません。当時の榎本さんと言えば、早実出身、毎日オリオンズの3番打者で大スター。一・二塁への痛烈なヒットを打つ名人。引っ張り専門なのに打率が高い。因みに、当時の毎日の4番は、シュート打ちの名人山内選手、5番はサード葛城選手、田宮選手。阪神からトレードで来た大スターが4、5人いました。榎本さんは生粋の毎日オリオンズの選手。

 驚きましたね。数日後、その大スター榎本さんから丁寧な返事が来ました。当時は宝物のようにしていました。早稲田大学の友達に見せびらかしていました。「榎本から返事が来たー」と。

 この話を早実野球部の先輩、日本協会副会長の荒川博先生にすると、「榎本が私の一番弟子、王は二番弟子」といつもの返事。荒川先生は更に続けます。ある日突然電話が来た。「荒川君。川上ですが」。荒川先生は「どちらの川上さんですかと聞いたら、『巨人の』って言われたよ。その時電話の前で直立不動になって、申し訳ありませんと言いったね」。この話は続きます。「荒川君、君は早実の後輩の榎本君を安打製造機に育てた。実は、王、三振王と言われている王を育ててくれないか、巨人軍の打撃コーチとして来てくれないか」だって。「驚いたね、毎日新聞の俺が、ライバルの読売新聞の川上さんからお誘いを受けるなんて」。荒川先生の講演会で、私はこの話を何10回聞いたか。これを聞くたびに、マウイ島、榎本さん、王さんを思い出すのでした。

 1969年5月より、留学が始まりました。その時の後見人は、私の人生の恩人であるマサオ・コイケ先生。その無二の親友は、チャーリー・イワモトさん、奥様はデージー・イワモトさん。チャーリーさんの出身地がこのマウイ島。同年12月の冬休みに、彼の生まれ故郷であるマウイ島に連れて行ってもらいました。一番行きたかったところは、マウナケア山、そこでもう一度シルバーソードの花を観たかったのです。チャーリーさんは快くそのマウナケア山に連れて行ってくれました。そこが今、山火事です。残念でなりません。

 マウナケアの山火事が一日も早く鎮火すること、これ以上の死者が出ないこと、高山植物にも被害が広がらないことを切に望みます。

 バイデン大統領は10日、ハワイ州に対する災害宣言を承認し、連邦政府による支援を指示されました。これによって助けを必要としている人々への支援が受けられるようになりました。

 マウイ島は、東側は雨が多く、西側は雨が少ない傾向があります。今日は「山の日」。「マウナケア山周辺」に、西も東も関係なく、多くの雨が降ってくれー。神様、仏様、お願いします。救助活動でご活躍の皆さん!頑張ってください!