9月15日 元敬老の日。2015年、中国煙台大学文経学院客員教授に就任した日。「健康・福祉・医療・教育」を視野に入れ予防医学の範疇でも日本式ティーボールを普及させましょう。

 9月15日というと以前は「敬老の日」でした。この日は私にとって忘れられない日です。それは2015年のこの日、中国煙台大学の客員教授に就任した日だからです。6年前の今日私はその煙台大学文経学院の講堂において、1998年に早稲田大学に提出した「健康福祉科学部構想」について講演をしたのです。その終了後に、「客員教授」称号の授与式があり、中国政府からは日本でいう「厚生労働省」と山東省の「健康福祉局」のそれぞれトップの2人と私の計3人が選出されたのでした。また、この時日本ティーボール協会顧問であり、アビリティーズ・ケアネット株式会社伊東弘泰代表取締役会長兼社長は、その大学の「健康・福祉の研究所」の名誉所長に就任されました。

 さて、この案内が来たのは、その2か月前の7月20日でした。

その招聘状には、あて先 早稲田大学人間科学学術院長。内容は「吉村正教授の招聘について」

 謹啓  盛夏の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。さて、煙台大学文経学院は、かねてより早稲田大学人間科学術院の方々と、日中両国における高齢者・障害者福祉の課題に関し情報交換をさせていただいておりますが、この度当学院にて、下記のような講演会の開催を企画しております。つきましては、本分野に多大な知見と実績をお持ちの、御大学人間科学学術院、吉村正教授を講師としてご派遣頂きたく、ここにお願い申しあげる次第です。ご多忙の折大変恐縮ですが、どうかご受諾頂けますようお願いいたします。 謹白(原文のまま)

 日時  : 2015年 9月15日 (火)

 場所  : 中国山東省煙台市、煙台大学文経学院

 講演演題: 「早稲田大学と人間科学学術院の健康教育について」

 主催  : 煙台大学文経学院

 受講者 : 煙台大学文経学院関係者 学生、行政担当者等、約500名

 というものでした。通訳は2名付き、中国では2泊3日何不自由なく過ごさせて頂きました。私は慎重派ですから、北京にお住いの日本ティーボール協会理事、アジアティーボール協会副理事長の陳兆麗先生にも通訳兼アドバイサーとしてお越し頂き、いろいろな場面で助けもらいました。感謝しています。

 当時中国は、世界の工場と言われ、世界で必要と思われる日常的に使用する製品は、いろいろと国内で生産していました。しかし、高齢者に対する福祉機器やリハビリテーション機器等は、北欧、日本、あるいは台湾から輸入していたのです。しかし、中国も少子高齢化の時代に突入、この分野も中国国内で研究と実践、更には福祉・リハビリテーション機器の製作等も自前でやりなさいというのが中央からの通達だったそうです。そこで、山東省の青島市の近くの煙台市に白羽の矢が立ち、この煙台大学で研究と教育、更にはその煙台の地域では、福祉・リハビリテーション機器の製作を、前者は早稲田大学に。後者は、日本の日本アビリティーズ社の伊東会長に、お願いするということになったのでした。

 私は、人間科学学術院では、人間健康科学科の学科長(主任)2期4年、健康福祉科学科の学科長(主任)も2期4年、計8年「健康・福祉・医療・教育関係」の学科の責任者を勤めたことから、このようなご指名と栄誉を頂いたのです。本当に運が良かったのでした。

 今日は9月15日。元「敬老の日」。この日に上記の「称号」を頂いたのでした。「敬老」とは、国語辞典に「老人をうやまい、たいせつにする日。九月十五日。老人をうやまい、なぐさめるために定められた」(角川書店)とあります。これ私は75歳、この説明、結構不愉快です、特に「老人」と「なぐさめるために」の下りは。でも、仕方ないのかなあ、と思ったり、あきらめたりしています。いずれにせよ今日は国語辞典でいう「老人」というより「高齢者の福祉・医療・健康・教育」を考える日にしましょう。

 日本式ティーボールは、「高齢者の福祉・健康・医療・教育」を視野に入れながら、予防医学の範疇で、健康維持・福祉レクリエーションの領域でも、もっともっとプレーされなければならない球技ですよね。